債務整理をすると家族と子どもに迷惑がかかります

こんにちは!弁護士の幸谷です!

今回は、「債務整理の家族への影響」というテーマでお話をしていきます。

借金の返済が苦しいという方の為の救済制度である債務整理ですが、いざ債務整理を検討すると家族や子どもに何かしら影響があるんじゃないか?

と不安になりますよね?「債務整理したら家族にバレてしまうのではないか?」

「子どもの今後の生活に悪影響があるのでは?」そんな懸念があると思います。

そこで今回は、借金問題を解決してきた弁護士の私が、債務整理した際の家族への影響について解説します。

また、家族にバレずに債務整理する方法もお伝えした上で、逆にバレてしまうケースの説明もします。

「債務整理しても家族にだけは絶対に迷惑をかけたくない」「家族に内緒に借金をどうにか解決したい」

そのような方は、ぜひ最後までご覧ください!

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債務整理とは?

まずは、債務整理をすると家族にどんな影響があるのか?についてお話しします。

結論から申し上げますと、債務整理しても、家族への直接的な影響は基本的には無いんです。

これを聞いて安心した方も多いと思いますが、なぜ影響が無いのか?それをご理解いただく為に、そもそも債務整理とは何なのかを先にご説明します。

債務整理とはひと言でいうと、借金を減額したり免除したりする、法的な手続きです。「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類あり、それぞれ減額できる範囲が違います。

ただ、いずれの債務整理をしても、ブラックリストに掲載されてしまい、新たな借金が出来なくなるなどのデメリットはあります。

減額幅が大きいほど、デメリットが増えるのも事実です。

しかしそれは、決して借金をした人の罰則や制裁という意味ではありません。何故なら債務整理の目的は、借金をした本人の救済だからです。

返済ができなくなるほどの借金を抱えていると、他のことが何も手につかなくなる人も多いと思います。

そういう方を借金問題から解放し、より良い人生を歩んで貰う、これが債務整理の本来の目的なんです。ゆえに債務整理をしても、当事者ではない家族に直接悪影響が及ぶなんてことはありえません。

家族への影響を懸念している人は、「自分が払えないと家族に請求が行くのではないか?」「家族もブラックリストに載るのでは?」などの心配をされていると思いますが、

実際には、本人が債務整理したからといって、債権者が家族に請求したり、家族をブラックリストに載せるなんて法律上出来ません。

ここはご安心いただければと思います。

債務整理の家族への影響

ただ一方で、債務整理をして、間接的に家族にも影響があることが一部あります。

ここからはその影響について解説していきますが、全て対応策があることばかりなので、必要以上に恐れなくてだいじょうぶです。

債務整理の家族への影響は次の3つあります。

  1. 保証人の家族には請求が行く
  2. カードローン作成やローン契約ができない場合もある
  3. 子どもの奨学金の保証人にはなれない

それぞれ詳しく解説していきます。

(1)保証人の家族には請求が行く

債務整理の家族への影響1つ目、「保証人の家族には請求が行く」です。

先程申し上げた通り、債務整理しても家族に請求が行くことはありません。しかし例外があります。

それは家族が保証人になっていた場合です。

もちろん家族に限らず、債務整理をすると保証人になっている方には請求が行くようになっています。

そもそも保証人は、本人が返済出来なかった場合に肩代わりする存在なので、これは致し方ありません。ちなみに保証人の他に、連帯保証人という制度もありますが、違いは分かりますでしょうか?

保証人は、債務整理をした本人が返済できないときに、本人に代わって返済する責任を持ちます。 

一方、連帯保証人は、ほとんど自分がお金を借りているのと同じ立場であるため、請求されたら反論できず、債務整理をした方の借金の全額を返済する責任があるんです。

端的に言えば、連帯保証人は借金した本人と同等の扱いを受けます。したがって、もし万が一家族のだれかがあなたの借金の連帯保証人になっていたとしたら影響はかなり大きくなります。

でも対応策があるのでご安心ください。

その場合は任意整理をして、整理をする対象から家族が保証人になっている借金を取り除けば大丈夫です。

そうすれば、家族に請求が行くことも有りませんし、そもそもバレることもありません。

(2)カードローン作成やローン契約ができない場合もある

次に債務整理の家族への影響2つ目は、「まれにカード作成やローン契約ができない場合もある」ということです。

債務者本人は、債務整理をするとブラックリストに載ります。そうすると、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりは出来なくなるんですね。

ブラックリストとはそもそも信用情報機関に掲載される事故情報のことなんです。

そこには本人の情報しか管理されていないため、たとえ債務整理しても家族の信用情報にまで影響はありません。したがって、基本的には家族は普通にカードやローンの審査が通るようになっています。

稀なケースとして、債務整理をした方の家族も審査が通らないということがあるんです。どんな時にそのようなことになるのか?

たとえば同居している夫婦の場合です。妻からカード作成の申し込みをうけたカード会社は、信用情報を照会します。

そこで住所や電話番号から、同じ住所である夫の信用情報も見られるかもしれません。その際に夫が債務整理をしていた場合は、カード会社としては審査が慎重になってしまうんですね。

ですがこれはあくまで可能性ですし、実際の審査の状況は社外秘なので分かりません。なぜ審査が通らないのかも教えてくれません。

ちなみに、たとえ審査が通らなくても、別の会社なら通る可能性は大いにあります。

これはあくまで稀なパターンとして認識しておく程度に留めておきましょう。

(3)子どもの奨学金の保証人にはなれない

債務整理の家族への影響、最後の3つ目は「子どもの奨学金の保証人にはなれない」です。

たとえば子供が進学の際に奨学金が必要となっても、残念ながら債務整理をした本人は保証人にはなれません。

何故なら、奨学金を融資する金融機関も、やはり信用情報機関に保証人の情報を照会するからです。

その結果ブラックリストに載っていたら、審査は通らないでしょう。ですが対処法はあります。

他の家族を保証人にすればいいんです、配偶者や祖父母、もしくは親戚でも良いわけです。さらに保証機関制度を利用する方法もあります。

保証料を支払えば、保証機関が連帯保証をしてくれるのです。ですのでこの懸念はそこまで心配する必要はありません。

というわけでここまで債務整理をしたときの、家族への影響を解説しました。

子どもの就職や結婚には影響しない

最後にもう一つ、意外に心配されるのは、「子供の就職や結婚に悪影響があるのではないか?」ということなんですが、そのようなことはないので、安心してください!

何故かというと、就職先の会社も結婚相手も、親が債務整理をしたなんて、言わない限り基本的には分からないからです。

信用情報は加盟している金融機関か、債務者本人しか照会出来ません。ましてや戸籍に掲載されることもないため、他人にはバレようがないのです。

ただ、債務整理の中でも自己破産や個人再生をした場合は、官報という国の広報紙に載ってしまうため、絶対にバレないという保証はありません。

ただ、一般の方で官報をチェックしている人なんてほとんどいませんので、そこまで心配しなくてもだいじょうぶです。

家族にバレずに債務整理はできる?

ここまで聞いて一安心した方もいるかもしれませんが、一方で、「影響が及ばなくても、債務整理すると家族にバレるんじゃないの?」

という不安もありますよね?そこで次に、債務整理をすると家族にバレるかどうかお話しします。

結論から申し上げますと、債務整理の方法によって、家族にバレる可能性は違ってきます。

家族にバレにくい債務整理は任意整理

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類あり、最も家族にバレにくいのは「任意整理」です。

逆に個人再生、自己破産は官報に掲載されてしまったり、裁判所を通す手続きなので、どうしても裁判所から郵送がきたり家計の状況を提出する際に家族に話す必要があるので、家族に隠しながら手続きを進めるのはほぼ不可能です。

逆に任意整理は

①裁判所を通さないので手続きが簡易的

②家族の収入や収支状況の報告が必要ない

③家や車を処分されるリスクを避けられる

④手続きした情報が官報に掲載されない

これらの理由から、家族にバレずに借金問題を解決できるんですね。

ここからなぜ任意整理がバレにくいのか?それぞれの理由を詳しく解説します。

裁判所を通さないので手続きが簡易的

任意整理が家族にバレにくい理由の1つ目は、「裁判所を通さないので手続きが簡易的」だからです。

債務整理の手続きに時間がかかればかかるほど、家族にバレるリスクは高くなります。

また必要な書類が多くても同様で、色々取り揃えてる間に、家族に不審に思われる可能性は大きくなるでしょう。

その点、任意整理は債務整理の中でも、最も手間暇かけずに出来るので、家族にバレる可能性を軽減出来ます!

なぜ任意整理は手続きが簡易的かというと、唯一裁判所を通さない債務整理方法だからです

つまり、債権者との話し合いのみで和解を目指します。そこで先程説明した通り、債権者にとっても任意整理はメリットがあるので、和解は成立しやすいのです。

家族の収入や収支状況の報告が必要ない

任意整理が家族にバレにくい理由の2つ目は、「家族の収入や収支状況の報告が必要ない」からです。

任意整理は本人の借り入れや収支情報だけあれば事足りる債務整理です。

家族の情報は必要ないので、バレにくいと言えるでしょう。

逆に言えば、任意整理以外の個人再生や自己破産は、家族の収支情報も裁判所に伝えなければなりません。

何故なら裁判所に、債務整理しないと返済が出来ないということを、認めてもらう必要があるからです。

つまり、家族に協力を求めざるを得ないため、債務整理することを正直に話す必要があります。

家や車を処分されるリスクを避けられるから

任意整理が家族にバレにくい理由の3つ目は、「家や車を処分されるリスクを避けられる」からです。

家や車を処分されたら、家族に債務整理を内緒にしておくなんて出来ないですよね?

個人再生や自己破産ですと、全ての借金を債務整理の対象としなければなりません。

ゆえに住宅ローンや車のローンを抱えていた場合は、家や車を手放すことになります。しかし任意整理は、裁判所を通さない債務整理の方法だと、ご理解頂いてますよね?

したがって、任意整理は債務整理をする対象の借金を選べます。

つまり、カードローンだけ債務整理をして、住宅や車のローンはそのままにするのことが可能なのです!

手続きした情報が官報に掲載されないから

任意整理が家族にバレにくい理由最後の4つ目は、「手続きした情報が官報に掲載されない」からです。

任意整理は個人再生や自己破産と違って、官報に掲載されない債務整理です。

官報とは、国が発行する機関誌であり、国民が知るべき色んな情報が載っているので、信用情報と違い誰でも閲覧可能となります。

とはいえ、「例え官報に掲載されても、普通は見たりしないよね?」と思う方多いでしょう。おっしゃる通り、官報を直接家族が閲覧して、そこから債務整理がバレる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

ですが、どこで何があるか分かりません。載らないならそれに越したことはないのです。

専門家に依頼することでさらにバレにくくなる

さらに加えるなら、弁護士や司法書士といった専門家に依頼すればもっとバレにくくなります

なぜなら、債権者とのやり取りは専門家だけになり、本人に債権者から連絡が来ることは無くなるからです!

当然、専門家には守秘義務があるので、漏れる心配もありません。

専門家から本人へ書面で通知が必要な場合も、事務所名ではなく個人名で送ってくれるので安心です!

任意整理が家族にバレてしまう3つのケース

ここまで任意整理が家族にバレにくい理由を話してきましたが、残念ながら任意整理は、家族にバレる可能性が完全にゼロというわけではありません。

そこで最後に、家族にバレてしまう3つのケースをお話しします。

もし任意整理を検討されていたらぜひ注意してくださいね。

専門家との連絡方法で注意が欠けていたとき

1つ目のケースは、「専門家との連絡方法で注意が欠けていたとき」です。

任意整理の依頼を受けた弁護士や司法書士といった専門家は、本人との連絡でも最新の注意を払ってくれます。

それでも察しの良い家族だと、バレてしまうかもしれません。

知らない相手から自宅の固定電話にかかってきたり、何か大層な書類が郵送されてくれば、例え事務所名が無くても勘付かれる可能性はあります。

それを防ぐには、電話は必ず携帯、郵送は局留めにするといった、対応をしてください。

任意整理後の返済を滞納したとき

任意整理が家族にバレてしまうケース2つ目は、「任意整理後の返済を滞納したとき」です。

無事和解が成立しても、その後の支払いを滞納すると、残金を一括請求されます。

つまり、直接自宅に督促が届くので、家族にバレてしまうかもしれません。具体的には、2回滞納すると一括請求されるようです。

それを回避するには、やはり和解後はきちんと返済するしかないでしょう。

どうしても返済が無理な場合は、早めに専門家に相談してください!

ブラックリスト状態でローン申請をしたとき

任意整理が家族にバレてしまうケース最後の3つ目は、「ブラックリスト状態でローン申請をしたとき」です。

繰り返しになりますが、債務整理をするとブラックリストに載るので、消えるまでは新たなカード作成やローンの審査には基本的に通りません。

「だったら申し込みなんてしないよね?」と思いますよね?

ところが厄介なのは、いつブラックリストから消えるかはハッキリしないことです。

概ね5年~10年と言われているので、5年経って申し込んだら、まだ残っていたことも大いにあります。

その審査落ちの通知を家族に見られて、バレてしまうかもしれません。

ゆえに申し込む前に、本当にブラックリストから消えたかどうか、必ず信用情報機関に確認するようにしましょう。

以上の3つが、任意整理後に家族にバレてしまうかもしれない3つのケースですが、全て注意を怠らなければ防げることです。

ですので、肝に銘じておけば大丈夫です!

まとめ

繰り返しになりますが、債務整理をして家族に影響があったり、家族にバレてしまう可能性はゼロではありません

したがって、それらのリスクを考慮した上で最終的にどうするのか、判断するようにしましょう。

また、自分ひとりで考えても答えがでないことは多いため、まずは気軽に弁護士や司法書士などの専門家に相談してみてください。

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きっと借金解決の糸口が必ず見つかるはずです。最後までご覧いただきありがとうございました。

本記事の内容が、少しでもお役に立っていれば幸いです。