こんにちは!弁護士の幸谷です!
先日、視聴者の方からこんなご質問をいただきました。
「債務整理をすると携帯電話が使えなくなるって聞いたんですけど、本当ですか?
携帯電話が使えなくなるとかなり不便なので、債務整理をするかどうか悩んでいます」
確かに債務整理をした結果携帯を使えなくなってしまっては非常に困りますよね?
結論からお伝えすると、「債務整理をしても携帯電話は使えます!」
ただ、使い続けるためには注意すべきことがあるのも事実ですし、携帯以外にも多くの人が悩んでしまうポイントもあります。
そこで、今日は債務整理をしたいけど、携帯止まったりしないかな?
他にどんなことができなくなるんだろう?と不安になっている方に向けて説明をします。
具体的には携帯電話・マイカー・マイホームについてです。
いずれも生活するうえで必要不可欠なものですから、どんな影響があるのか気になりますよね?
今日の記事では主に3つのことを紹介いたします。
1つめは債務整理をするときに乗ってしまうブラックリストとは何なのか
2つめはブラックリストに載ると生活にどんな影響があるのか?
3つめはそれらの影響に対する対処法としてどんなものがあるのか?
です。
債務整理を考えている方には必ず見ていただきたい内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
それではいきましょう!
債務整理の大前提

まず大前提として、債務整理をすると携帯電話・マイカー・マイホームに多かれ少なかれ影響が及びます。
なぜそうなるかというと、債務整理をするとブラックリストに載ってしまうからなんですね。
ここでいう債務整理とは、任意整理・個人再生・自己破産という3つの整理方法すべてを指します。
つまり、債務整理をしたら、整理方法にかかわらずもれなくブラックリストに載ると考えてください。
ブラックリストとは

では、そのブラックリストとは何なのか?ということから解説していきましょう。
ブラックリストとは、簡単に申し上げると、信用情報に事故情報が登録されて「ローンやクレジットを一切利用できなくなった状態」のことを指します。
「ブラックリスト」というリストが現実に存在するわけではなく、ローンやクレジットを一切利用できなくなった“状態”のことを言うんですね。
なので、一般的には「ブラックリストに載る」「ブラックリスト入りする」のように表現されます。
ここ日本には信用情報機関という、個人のクレジットカードやローンの利用に関する履歴を収集している機関が存在していて、
たとえば皆さんがクレジットカードを使ってお買い物をすると、信用情報機関はその事実をデータとして逐一保管していきます。
あなたが仮に債務整理を行った場合、信用情報機関はそれをどのように記録するのかというと「事故情報」として記録するんです。
つまり、「この人にお金を貸すと返ってこないかもしれないので、あまり信用できませんよ」と債権者に伝えるわけですね。
確かに債務整理は我々消費者にとってありがたいシステムですが、債権者にとっては損失につながるわけですから、債務整理を事故情報として記録するのは当然のことと言えます。
では、債権者に「この人にお金を貸したら戻ってこなくなってしまうかもしれない」
とみなされてしまった場合、我々はどんなことができなくなるのか?
それを具体的に見ていきましょう。
ブラックリスト入りしてできなくなること

ブラックリスト入りしてできなくなることは大きく分けて3つあります。
それが「クレジットカード、ローン、キャッシングの利用」です。
それではひとつずつ見ていきましょう。
クレジットカードの利用ができなくなる
ブラックリスト入りしてできなくなることの1つ目はクレジットカードの利用です。
これはクレジットカードのシステムを理解すると、なぜ利用できなくなるかよくわかると思います。
クレジットカードがあれば所持金がなくても買い物ができますよね?
なぜあれが可能なのかというと、クレジットカード会社がお店に対して、購入代金を立替払いをしているからです。
そして立替払いした代金をクレジットカード会社が、カード利用者に請求しているわけです。
これはクレジットカード会社がカード利用者に対して、立て替えた代金を後で必ず支払ってもらえると信頼しているから成り立つ行為ですよね。
ですので、ここであなたがブラックリストに載ってしまうと、クレジットカード会社としては、お金を立て替えたところで立て替えた分のお金を本当に支払ってもらえるのか信頼できなくなるわけです。
だから、クレジットカードの利用ができなくなるわけですね。
ローンを組めなくなる
ブラックリスト入りしてできなくなることの2つ目はローンを組むことです。
ローンとは、「後から少しずつ返済するという約束のもと、銀行や貸金業者、公的金融機関などからお金を借りること」です。
マイカーやマイホームなど、一度に大金を用意することが難しい高額商品を購入する際に利用されることが多いですよね。
ローンもクレジットカードと同様、契約者と銀行や貸金業者の間に信頼関係があって初めて成立するものです。なにせ“約束事”ですからね。
なので、ブラックリストに載ってしまうと、イコール私は約束事を破る可能性がある人物です、と宣言しているようなものなので当然、金融機関としてはそんな人物と約束を交わしたくないですよね。
そのため、ブラックリストに載ってしまうと金融機関からお金を借りること自体ができなくなるので、ローンを組むことはできなくなります。
キャッシングができなくなる
ブラックリスト入りしてできなくなることの3つ目はキャッシングです。
「キャッシング」とは、コンビニや金融機関のATMを利用して現金を借りるサービスのことです。
多くのクレジットカードは「ショッピング利用枠」と「キャッシング利用枠」
というものが用意されていて、後者の「キャッシング利用枠」内で自由に現金を借りることができるわけですが、それもすべて信頼がなせる業。
ブラックリストに登録されてしまうと信頼が失われるので、キャッシングは当然利用できなくなってしまいます。
ブラックリストの登録期間

さて、ここまで、債務整理をするとブラックリストに載ってしまい、クレジットカードやローン、キャッシングの利用ができなくなるよ、ということをお伝えしてきました。
では、ブラックリストに載ってしまうと、一生さっきの3つのことができなくなるのか?
というと、そんなことはありません。
選んだ整理方法によってブラックリストの登録期間が異なっていて、
任意整理は約5年
個人再生・自己破産は5〜10年と言われています。
つまり、登録期間が過ぎれば事故情報は削除されるので、以前のようにクレジットカードやローン、キャッシングの利用ができるようになるんです。
なので、この点はご安心ください。
なかには、一刻も早くブラックリストから抜け出したい!という理由で任意整理を選択される方も一定数いらっしゃいますね。
ここまで、ブラックリストとは何か、ブラックリストに載ると何ができなくなるのかについて解説してきました。
それではいよいよ、債務整理をすると携帯電話・マイカー・マイホームはどうなるのか?
ということについて解説していきましょう。
ブラックリスト入りしても携帯電話は使える

まず、冒頭でも申し上げたとおり、債務整理をしたからと言って
いきなり携帯電話が使えなくなる!ということはありえません。
先ほど挙げたブラックリストに載ってできなくなることって、全て信用に基づいてお金を借りることでしたよね。
一方、携帯電話の料金の支払いは別にお金を借りて行うものではありません。
ですので、仮にブラックリストに載った後でも問題なく使用し続けることが可能です。
ただし、新しい携帯電話に買い替えるときだけは注意が必要です!
最近のスマートフォンって高額ですよね。iPhoneなんて10万円以上するじゃないですか。
ですので、多くの方は端末代を一括払いせずにローンを組んで端末代を毎月少しずつ返済していますよね。
しかし、ブラックリストに載ってしまうとローンを組むことができなくなります。
そのため、新しい端末を買うときに一括払いせざるを得なくなるわけですね。
これがブラックリストに載った後の携帯電話の利用について注意しなければいけないことです。
もしかしたらこの記事を見ていらっしゃる方には、スマホ代を一括でなんて払えないよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
確かに高額ですからね。
そこで、そんなかたにおすすめの対処法を3つほどご紹介します。
家族の名義で契約してもらう
1つめの対処法は家族の名義で契約をしてもらうことです。
要は自分の名義でなければ分割払いができるわけですから、家族の名義で携帯を契約し、月々の支払いは一旦家族にしてもらう。
そのうえで、支払ってもらった分を個人的に家族に納める、というやり方ですね。
ただ、このやり方だと家族に申し訳ない、いちいち家族に携帯代を支払うのが面倒くさい
と考える方もいらっしゃることでしょう。
格安スマホの利用
そこで2つめの対処法が、格安スマホの利用です。
iPhoneのような高い機種だと10万円以上しますが、格安スマホなら2〜3万で買えるものも多いですし、最近のものは機能も充実しています。
スマホの買い替えに迫られた方は格安スマホに格安SIMを組み合わせてみてください。
携帯電話にかけるコストを一気に節約できるはずです。
中古のスマホを買う
3つめの対処法は、中古のスマホを買うことです。
中古商品を扱う家電量販店では、中古のスマホが比較的安価で販売されているので、
ほしいスマホが高くて一括で買えないとお悩みのかたは、ぜひ一度チェックしてみて下さい。
携帯電話に関しては、このように新機種購入時に一括払いしかできないというデメリットがありました。
では、マイカー・マイホームに関してはどうでしょうか。
ブラックリスト入りするとマイカーローンは組めない

まずマイカーについてですが、こちらも携帯電話と同じく新しくローンを組んで購入することはできません。
つまり、かなり高額ではありますが一括で買うしかないということですね。
それでは、ローンを支払っている最中に債務整理をしたらどうなるのか。
任意整理なら整理する対象を選ぶことができるので、マイカーローンを整理対象から
外してマイカーを持ち続けるということができますが、個人再生と自己破産の場合は整理対象を選ぶことができないので整理されてしまいます。
つまり、ローン支払い中のマイカーは処分されてしまうということです。
なぜなら、ローンを組んで車を買った場合、厳密に言うと車の所有権はローン会社にあるからですね。
これを所有権留保と言うのですが、ローンを支払っている最中の車の所有権は、実はあなたにはないんです。
“マイカー”と言いつつも、ローンを支払っている間はマイカーではなかったんですね。
ですので、あなたがこれ以上払えません。と言って債務整理をした場合、その車は所有者であるローン会社に処分されてしまうのです。
ただし、例外的に処分されないケースもあります。
それは銀行のローンを組んでいる場合です。
ローンには銀行から借りるもの
オリコなどの信販会社から借りるもの
トヨタファイナンスのようなディーラー系信販会社から借りるものの3通りが存在します。
信販会社・ディーラー系信販会社のローンを組んだ場合、ローン会社が車をいったん買って、それをあなたに貸しているというイメージですが、
銀行ローンの場合は単純にお金のみを貸しているだけなので、車は処分されないケースがあるんです。
ただ、この辺りの判断は難しいため、気になる方はぜひ弁護士に相談してみてください。
ブラックリスト入りすると住宅ローンも組めなくなる

次に債務整理がマイホームに与える影響もご説明します。
ここまでご覧になった皆さんならおわかりのとおり、ブラックリストに載ると新しく住宅ローンを組むことはできません。
では、住宅ローン支払い中に債務整理を行った場合はどうなるでしょうか。
先ほども申し上げた通り、任意整理なら整理対象から住宅ローンを外すことができますが
個人再生・自己破産を選択した場合、住宅は整理対象になるので、競売にかけられて
基本的には売却されることになります。
では、マイホームを残したければ任意整理しか選択肢がないのか?というと
実はほかにもう一つ選択肢が用意されているんです。
それが、個人再生の「住宅資金特別条項」という制度を利用すること!
「住宅ローン特則」とも言ったりしますね。
これは、「マイホームはただのお金に変えるための資産ではなく、生活の基盤になっているものだから簡単に失わせてはいけない」
という考えから生まれた制度で、この制度が適用されると
個人再生をしても、住宅ローンだけは整理対象から外すことができる
つまり個人再生をしてもマイホームを持ち続けることができるんですよ。
ただし!この制度は個人再生を選んだ方ならだれでも利用できるかというと、そうではないので、どうしてもマイホームを残したい!という方は
弁護士に相談して、住宅資金特別条項が適用されるかどうか確認してもらいましょう。
まとめ
はい、というわけで今回は債務整理をすると、携帯電話・マイカー・マイホームはどうなるのか?について解説してきました。
いずれも日常生活を送るうえで必要不可欠なものですから、気になっていた方も多いのではないでしょうか?
債務整理を行うと、基本的にはローン支払い中のものは処分されてしまいますが、場合によっては残せるケースもある、という感じですね。
債務整理をする前には、そのことも念頭に入れておく必要があります。
何が大切で、何を残したいのかというのは人によって異なりますから、どうしても譲れないものがある場合は、弁護士に相談してその譲れないものを手元に残す方法を一緒に考えてもらうといいでしょう。
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それでは、ここまで見てくださりありがとうございました!