借金が返せない時にやってはいけない3つのことと借金返済の正しい対処法

そもそも借金の返済が遅れそうになると「家族や職場に連絡がいったらどうしよう?」

「給料を差し押さえられるかも?」なんて不安なことばかり考えてしまい、どうすればいいか分からなくなってしまいますよね?

しかし、そのように焦ってその場しのぎの適当な方法で解決しようとすると、状況はさらに悪化する可能性があります。

そこで今回は、これまでたくさんの方の借金相談を受けてきた現役弁護士の私が、

借金の返済で困ったときに「絶対にやってはいけない3つのこと」と、借金問題を解決するための「正しい対処法」をお伝えします。

合法的に借金問題を解決する方法を知っていれば、不安やストレスがなくなり、またいつもどおりの生活を送ることができるはずです。

もちろん人それぞれ状況は違いますが、この記事を見たあなたが、借金問題から解放され、明るい未来を歩むための手助けとなれば嬉しいです。

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借金が返せないときに絶対やってはいけないこと

それでは、まず借金の返済で困ったときに絶対にやってはいけないことについて説明します。

具体的には以下の3つが挙げられます。

  • 債権者からの連絡(督促)を無視すること
  • 借金返済のためにさらに借金すること
  • クレジットカードの現金化

それぞれ解説していきます。

債権者からの連絡(督促)を無視すること

借金が返せないときに絶対にやってはいけないことの1つ目は、「債権者からの連絡(督促)を無視すること」です。

約束の期日までに借金を支払っていないと、債権者からはがきや電話で連絡が入ります。相手が債権者だと分かると、出たくないですよね?

「返済を迫られて罵倒されるかもしれない」と恐れたり、「どうせ返せないとしか言えないから出るだけ無駄」なんて考えて、無視してしまうかもしれません。

しかし、弁護士の立場から言わせてもらうと、連絡を無視するのは非常に危険です。なぜなら、直接債務者と連絡がつかなかったら債権者はどうするか?考えてみてください。

当然、勤務先や自宅の固定電話といった、他の連絡先へ電話します。すると職場や家族に借金の事実がバレてしまうでしょう。

さらに、中々連絡がつかない債務者に対しては、債権者の心証も悪くなり、取り立てが厳しくなるかもしれません。そのため、債権者からの連絡には必ず対応してください!

ただし、ここで安心して欲しいのは、返済が遅れても、いきなり差し押さえされたりはしないということです。借金の督促にも順番があるからです。

この順番を理解しておけば、債権者からの督促にも恐れることなく、冷静に対処できるはずです。

次に進む前に、ここで簡単に借金の督促の流れを説明しておきます。

一番最初の督促は、電話・ショートメール・郵便などです。最初は、「返済お忘れではないですか?」という確認程度の連絡です。

ここで返済が滞った場合は、次に強めの督促になります。電話の場合、最初は音声案内のみで、強めの督促となると、オペレーターからの連絡になるケースが多いようです。

それでも支払われないと、内容証明での督促が届きます。その中には、「期限の利益の喪失日」が記載されている可能性が高いので注意してください!

「期限の利益の喪失日」とは、この期日をすぎると、カードやローンが強制解約になりカードの使用停止はもちろん、残金一括請求になるという期日のことです。

一般的には「翌月の返済日」が目安となるようで、たとえば1/25が支払い期限の借金であれば、2/25が期限の利益の喪失日となります。

しかし、残額を一括請求となっても、支払うのは無理でしょう。すると、債権者は借金回収の為に法的手段に出ます

「そんな数万円の借金で裁判なんてするの?」と思うかもしれませんが、残念ながら、債権者は積極的に裁判をします。

なぜなら、債権者は訴訟の申立書のひな型を持っているため、さほど手間ではありません。

さらに、借金未払いという証拠は確実にあるため、債権者が裁判で負けることは、時効を迎えてない限りありえません。そして督促の最終手段として、債務者の給料や財産の差し押さえとなります。

以上が、借金返済の督促を無視し続けた場合の、督促の順番になります。

いきなり差し押さえになることはほぼ無いのですが、それでも連絡を無視し続けるとどんどんまずい状況になっていくということは理解いただけたはずです。

したがって、たとえ連絡に対応するのが嫌だなと思ったとしても無視だけはせずに、まずは現在の状況を正直に話すようにしましょう。

借金返済のためにさらに借金すること

借金が返せないときに絶対にやってはいけないことの2つ目は、「借金返済のためにさらに借金すること」です。

どうしても返済の為のお金が必要となったら、どうしますか?恐らく、借金をしてる人が一番最初に思いつくのが、また借金をすることでしょう。

いわゆる、「自転車操業」と呼ばれているものとなります。

こうして知らず知らずに多重債務者となり、大変危険なのは言うまでもないでしょう。

「たとえ新しく借金しても、返済に充ててるんだから大丈夫じゃないの?」と思うかもしれませんが、返済するのは元金だけじゃなく、利息も含まれています。

利息を払うためにさらに借金したら、またその分の利息がつくため、返済していてもさらに借金は増えてしまいます。

さらに、「念のため返済額より多めに借りておこう」なんて考えたら、まさに雪だるま式に借金総額は膨れ上がります。

借金の返済がつらい人の多くがこのパターンにハマってしまいます。借金返済のための借金は、その場しのぎでしかなく、根本的な解決ではないため、絶対にやめてください。

クレジットカードの現金化

借金が返せないときに絶対にやってはいけないこと、最後の3つ目は、「クレジットカードの現金化」です。

クレジットカードの現金化とは、クレカのショッピング枠を利用して換金率の高い商品を購入し、現金化する行為です。

新幹線の回数券だと、金券ショップに持ち込めば、額面の80~90%で買い取ってくれます。しかしこの行為は、カードの契約で禁止されています。

なぜなら支払いが終わるまでの、購入した商品の所有権はカード会社にあるため、勝手に売ってはいけません。

もしバレたら、即カードの強制解約と残金一括請求されるでしょう。たとえバレ無くても、返済の負担は増えていくため、デメリットしかありません。

80~90%での買取は一見高額に思えますが、逆に言えば10~20%利息で取られてるのと同じです。この方法も借金返済のための借金と同じで、その場しのぎでしかないため絶対にやめましょう。

というわけで以上の3つが、「借金が返せないときに絶対やってはいけないこと」なのですが、どれも返済を焦ってしまうと、つい手を出したくなる気持ちは分かります。

しかし、その場しのぎの対策にすぎないため、後々余計に状況は悪化すると、お分かり頂けたでしょう。

借金が返せないときの正しい解決法

では、借金の返済が苦しくなったらどうすればいいのか?

そこで最後に「借金が返せないときの正しい解決法」を解説します。

結論からお話すると、借金が返せないときの正しい解決法は以下の5つです。

  1. 腹をくくる
  2. できるだけ早く債権者に連絡する
  3. 現在の状況をできるだけ正しく把握する
  4. 誰かに相談する
  5. 弁護士などの専門家に相談してみる

それでは一つ一つ解説していきます。

腹をくくる

1つ目の解決法は、「まずは腹をくくる」です。と言っても、宝くじの当選に期待するなど、運を天に任せるようなことや、「もう返済無理」と投げやりになることではありません。

「もう借金は増やさない!」「とにかく返済していく!」と心に誓うことです。

つまり、「困ったらまた借金すれば良い」という、それまでの意識を変えるのです!

こういう強い意識を持てば、余剰のお金が出来たら、「遣わずに返済に充てよう」という考えにもなります。

この腹をくくるというのは当たり前のようで、実は一番難しいことなのですが、これが出来れば借金問題解決はあと時間の問題です!

できるだけ早く債権者に連絡する

2つ目の解決法は、「できるだけ早く債権者に連絡する」です。支払いが遅れる場合は、出来るだけ早く債権者に連絡しましょう。

それも、「支払いが遅れる」だけではなく、「〇日までには支払う」と具体的に告げることが大切です。

もちろん、「言い出しにくい」という気持ちは分かります。しかし、「いつ取り立てされるか分からない」という精神的不安から解消されるため、勇気を出して連絡してください!

支払いが遅れるからといって、債権者はあなたを責めません!むしろ誠実な対応は、債権者への心証にプラスとなります!

現在の状況をできるだけ正しく把握する

3つ目の解決法は、「現在の状況をできるだけ正しく把握する」です。

借金の返済が出来てない人は、借り入れ金額さえ正確に把握してない傾向にあります。

そこで一度、きちんと確認してみましょう。ATMから出た利用明細や、金融会社のHPの中の会員ページで分かる筈です。

そうやって、「借入先」「借金残高」「毎月の返済日・返済額」を調べて、さらにご自身の「収入と固定費」から「毎月の無理のない返済可能額」を割り出します。

そうすることで、返済出来ない理由も見えてくるでしょう。万が一借入先すら失念している場合は、信用情報機関に照会するという手段もあります。

誰かに相談する

4つ目の解決法は、「誰かに相談することが1番大切!絶対にひとりで抱え込まない」です。

もちろん、「借金して返せないなんて恥ずかしくて、誰にも相談できない」という気持ちは当然のことです。

とはいえ、どんな悩みであろうと、自分ひとりで抱え込むのは一番よくありません。

なぜなら冷静で客観的な判断が出来なくなり、先程説明した、「絶対やってはいけないこと」に手を染めてしまいかねないからです。

より事態が悪化する前に、思い切って誰かに打ち明けてください!相談相手は、家族が望ましいです。

なぜなら、親身になって聞いてくれる上に、両親であれば肩代わりしてくれるかもしれないからです。もちろんきちんと返済していきます。

両親相手なら、金利も柔軟に決められるため、それまでより返済は楽になりますし、何より感謝の気持ちから、「しっかり返そう」という意識になるでしょう。

ところが、「両親に言ったら、肩代わりどころか勘当される」という方もいますよね?

その場合は、友人やSNSで知り合った、どこの誰だか分からないような相手に相談しても良いと思います。とにかく辛い気持ちを吐き出すだけでも、楽になるでしょう。

弁護士などの専門家に相談してみる

最後に5つ目の解決法は、「弁護士などの専門家に相談してみる」です。

専門家に相談して、債務整理をするのが一番の借金解決方法です。

債務整理には、「利息をカットする任意整理」「元金を5分の1~10分の1に減らす個人再生」「借金全額をなくす自己破産」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

しかし専門家であれば、その人の状況にあった最適な方法を提案してくれます!

さらに弁護士には守秘義務があるため、相談しても周りにはバレませんし、どんな理由で借金してても、説教されることもありません。

それに弁護士が受任通知を出せば、債権者からの督促も止まります。とはいえ、「弁護士費用高いんじゃないの?」と思う方いますよね?

その点も心配ありません!借金の相談は無料で行っている事務所も多いですし、報酬も分割払いで大丈夫です。

つまり、借金が減った分を弁護士費用に充てられます。そのため、困ったら早めに専門家に頼ることをおすすめします!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まとめますと、借金返済のための新たな借金は絶対してはいけません。

滞納しても債権者からの連絡は無視しては駄目で、むしろ先に連絡して心証を良くしてください。

さらに一番大事なのは、ひとりで抱え込まないことです。専門家に相談して、債務整理することが最適な借金の解決方法といえます!

1人で悩むよりもまずは一歩踏み出してみて、早めに専門家に相談されることをおすすめします。

本記事の内容が、少しでもみなさんの参考になれば幸いです。