「年収300万円で借金150万」このような状況についてどう思いますか?
おそらく、多くの人が返済が苦しく見通しが立たない状況にあるのではないでしょうか。
では、「年収1,000万で借金150万」の場合はどうでしょうか。
大きく印象が変わりますよね?
このように、150万円の借金を抱えてしまった場合、余裕で返済できるのか、危機的状況にあるのかは個々の収入や生活状況よって大きく変わります。
借金150万円の完済を目指すのであれば、まずは自身の収入にあった返済プランを立てることが最も大切です。
この記事では、借金150万円をどのように返済するのか、具体的な返済シュミレーションも交えながら解説していきます。
借金150万円はどんなもの?

借金150万円であればなんとか返済できそうだと考える人もいるかもしれません。
実際に借金150万円は借金額としては多いのでしょうか少ないのでしょうか?
また、150万円の借金を自力で返済できる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
これらの疑問を以下で詳しく解説していきます。
借金150万円は20-30代の平均値
厚生労働省が2022年に実施した「国民生活基礎調査」によると、全世帯における平均借入金額は、390万6000円でした。
全世帯となると、住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどが関係してくるため、平均額が高額になる傾向にあります。
世代別で見てみるとどうでしょうか。
住宅ローンや教育ローンなどをを組むことの少ない29歳以下では287万8000円、マイホーム購入が多い30~39歳では1211万4000円と借金額が4倍以上と大きな差が出ています。
ここで、金融広報中央委員会の調査結果を参考にすると、単身世帯の20代の借金額の中央値は80万円、30代の中央値は100万円とあります。
この中央値から、20代〜30代の借金の平均値は、100万円〜150万円であることが推測されます。
ここで、まだ自分は借金の平均値以内だから大丈夫と思ってしまうのは危険です。
冒頭でもお伝えした通り、借金返済には自身の収入や支出、生活スタイルといった個人の状況に大きく左右されるからです。
よって、借金150万円という額が多いか少ないかは、それぞれの状況によって異なるため、一概には言いきれないのです。
借金150万円を自力で返済できる人の特徴
では、借金150万円を自力で返済できる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
まずは、自分がどれだけの借金が可能なのかを把握することが大切です。
ここでポイントとなるのが総量規制というルールです。
総量規制とは、消費者金融などの貸金業社からお金を借りる際は、年収の3分の1を超える金額は借りることができないというルールのことを言います。
よって、150万円の借金をする場合は、年収450万円以上が必要ということになるのです。
加えて、家賃、公共料金などの生活費以外に毎月3.5万円〜7.2万円を支払い続けることが可能であることが必要です。
これら2つの条件を満たせば、借金150万円も利息も含め自力で完済できる見込みがあるでしょう。
逆にいえば、上記を満たせない場合は完済が非常に厳しい状況にあると言えます。
また、借金額が月収の20倍以上であったり、毎月の返済金額が月収の3分の1以上という場合はすでに支払不能状態と言えます。
このような場合は、出来るだけ早く、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
借金150万円の返済シミュレーション

実際に、借金150万円は毎月いくらの支払いで、何年返済すれば完済できるのでしょうか。
ここで重要になってくるのが、返済しなければならないのは元本の150万円だけではなく、分割払いに伴なう利息も発生するということです。
具体的な総返済金額と、月々の支払い金額を以下で見ていきましょう。
合計返済額は170~220万円
元本の金額が100万円以上のときの上限金利である、年15%でシュミレーションした場合、以下のような結果となります。
返済期間 | 毎月の返済額 | 利息 | 総返済額 |
2年 | 72,729円 | 245,496円 | 1,745,496円 |
3年 | 51,997円 | 371,892円 | 1,871,892円 |
4年 | 41,746円 | 503,808円 | 2,003,808円 |
5年 | 35,684円 | 641,040円 | 2,141,040円 |
上の表からも分かるように、2年の短い期間で完済したとしても、総返済額は170万円以上になってしまうことに注意が必要です。
また、返済期間が長くなると毎月の支払い金額は抑えられる反面、支払い利息が増えるため総返済額はかなり大きくなってしまいます。
実際に、2年返済と5年返済とでは、約40万円の支払い利息の差が発生していることがわかります。
総返済額を出来るだけ抑えるためにも、返済プランを立て、毎月計画的に返済していくことが大切です。
月々の返済額は3.5~7.2万円
支払い利息を軽減させるためにも、短い期間での完済を目指すことが理想ですが、収入がそれほど高くない人にとっては毎月7万円以上の返済となると生活に支障をきたす可能性もあります。
よって、現実的な返済期間は3年〜5年、返済金額は3.5万円〜5.1万円と言えるでしょう。
あくまでも、大体の目安としてお伝えしているので、実際の自身の収入状況や支出を考えたうえで返済期間を決めることをおすすめします。
借金150万円の返済方法

借金150万円を返済するためにどのような方法があるのでしょうか。
基本的に、4つの方法があります。
支出を減らす、収入を増やす、借入金利を下げる、それでも解決できなければ法的手続きで解決する方法です。
それぞれの方法について以下で詳しく解説していきます。
節約
節約で支出を減らすことによって、その分の資金を毎月の返済に当てることが可能になり、借金150万円の完済への見通しも明るくなります。
節約するためには、まず現状の支出を把握しましょう。
支出を可視化することによって、見落としがちな思わぬ無駄遣いを見つけることができます。
具体的には、使っていないサブスクの契約を解約したり携帯電話を格安SIMに変更するなど、これらは比較的簡単に節約につながります。
いきなり全ての項目の支出を削ろうとするとハードルが高く挫折してしまいます。
まずは、通信費や保険料、不要なサブスクなどを中心に支出の見直しをしてみましょう。
しかし、節約のみで借金150万円を完済させることはかなり難しいため、他の方法と組み合わせながらの返済をおすすめします。
副業
副業で収入を上げることは、借金完済までのスピードを上げる有効な手段です。
節約だけでは資金の捻出が難しい場合や、生活費を切り詰めることに向いていないと感じる人は収入をアップさせる方法を検討してみましょう。
最近では副業ブームということもあり、さまざまな働き方から自分に合った方法を選択することが可能です。
クラウドソーシングなどのネット副業は初心者でも比較的簡単にスタートすることができるため近年人気の副業になっています。
しかし、副業初心者を狙った悪質な詐欺も横行しているため注意が必要です。
例えば、「高額な初期投資が必要」「1日5分で毎月30万」「ネット副業で一攫千金」などの謳い文句には注意しましょう。
詐欺とまではいかなくても、高額な初期投資のわりには全く稼げないというケースがほとんどだからです。
副業をすることによって借金を増やしてしまえば本末転倒です。
これらのことに十分注意して自分に合った副業を探してみましょう。
おまとめローン
おまとめローンとは、複数の金融機関から借りている借金150万円の返済をひとつの金融機関に一本化することです。
おまとめローンの最大のメリットは金利を下げられる点でしょう。
金利が下がれば総返済額も減り、借金150万円の完済も早まることになります。
借金返済は金利をどれだけ下げられるかが最大のポイントであり、金額が大きいほど金利の効果は顕著になります。
おまとめローンによって、借金150万円の金利が下がれば、毎月の返済金額も下がるため、毎月の返済が苦しい場合は積極的に利用することをおすすめします。
特に、上限金利が18%である消費者金融での借入をしている場合は、銀行のおまとめローンを利用することによって確実に金利が下がります。
一般的におまとめローンは、普通のカードローンと比べて審査が厳しくなる傾向にありますが、メリットは絶大なため一度相談してみることをおすすめします。
債務整理
節約や副業、おまとめローンを試しても解決しない場合、債務整理の検討も必要です。
債務整理とは、法的な手段を用いて借金を減額する手続きをいいます。
債務整理にはいくつかの方法があり、中でもデメリットが少ない任意整理を行うことによって、借金150万円の毎月の返済額を1/2程度まで減額できます。
任意整理は、将来利息と経過利息をカットし、元金のみを3年〜5年かけて返済していく仕組みなので、毎月の返済金額を大幅に抑えることが可能です。
自分は債務整理した方がいいのか、判断に迷う場合は以下の項目を確認してみてください。
- 年収450万円以下
- 多重債務
- 滞納している
上記の項目に当てはまる場合は、すでに返済不能状態に陥っているか、いずれ返済に行き詰まる状態になる可能性が高いといえるでしょう。
できるだけ早く弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
まとめ

年収や生活スタイルによって差はあるものの、借金150万円の完済は実現できる金額です。
節約や副業、おまとめローンなどを組み合わせて、自分に合った無理のない返済スケジュールを立てましょう。
どうしても返済が困難な状況になってしまった場合は、債務整理行うことも一つの手段です。
出来るだけ早めに専門家に相談し、早期解決を心がけましょう。