家族カードは、安定した収入のある本会員がいれば、収入のないその家族も本会員と同じカード機能や特典などを利用できるため、利用している人も多いサービスでしょう。
一方で、返済に行き詰まった場合、
「本会員である自分が任意整理したいが家族カードに影響が出たら困る…」
「家族カードだけの任意整理ばできる?」
「家族カードを滞納してしまったらどうなる?」
といった家族カードならではの疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、任意整理する場合、家族カードにどのような影響があるのか具体的に解説していきます。
家族カードで支払いを滞納した場合

そもそも家族カードとはどのような仕組みなのでしょうか。
また、家族カードの支払いを滞納してしまった場合、家族カードだけではなく本会員カードにも影響を及ぼしてしまいます。
以下で詳しくみていきましょう。
家族カードとは
家族カードとは、安定した収入のある本会員がいれば、収入のないその家族もクレジットカードを利用できるサービスのことです。
カード機能や特典など、本会員と同じようなサービスを受けられることが特徴です。
また、利用額はまとめて本会員に請求されるため家計を一括管理でき、ポイントを集約できる点が家族カードの魅力と言えるでしょう。
家族カードを申し込める条件はクレジットカード会社によって多少異なりますが、一般的には本会員の配偶者、両親、高校生を除く18歳以上の家族とされています。
内縁の夫婦や交際相手など、法的に親族関係がない人については、基本的に家族カードは作れないことになっています。
また、家族カードは、本会員カードの限度額を共有して使う仕組みなので注意が必要です。
例えば、限度額50万円のカードを家族3人で使う場合、1人あたりの使える金額は16万円程度となります。
家族カードの支払いを滞納すると?
基本的に、家族カードを滞納した場合、本会員カードを滞納したときとペナルティの条件は同じとなります。
具体的には、引き落とし日に残高不足によって引き落とし不能となった場合、1度目であれば特に問題になることはありませんが、2度目3度目となると信用情報機関、いわゆるブラックリストに登録されてしまう可能性があります。
家族カードを滞納した場合、家族カード保有者ではなく、本会員である契約者がブラックリストに登録される点も注意が必要です。
また、督促状などの勧告がきているにもかかわらず滞納を放置すれば、最終的に家族、本会員全てのクレジットカードが利用停止となり、強制解約となってしまいます。
よって、家族カードで滞納をした場合は、支払い義務、責任は全てカード契約者である本会員に帰属するということを覚えておきましょう。
本会員が任意整理した場合

契約者である本会員が任意整理をした場合、家族カードはどうなるのでしょうか。
返済義務など全ての責任が本会員にあることから、任意整理することによって家族カードにも様々な影響を及ぼします。
以下で詳しくみていきましょう。
家族カードも利用停止
カード契約者である本会員が任意整理をした場合、本会員のクレジットカードはもちろん、家族カードも強制解約の対象となります。
家族カードは、本会員の信用力で発行されているクレジットカードのため、任意整理することによって支払い義務者である本会員に支払い能力がなくなったとみなされ、自動的に家族カードも解約となってしまいます。
任意整理の対象から外したクレジットカードについては本会員カード、家族カード両方が引き続き利用可能ですが、更新などのタイミングで任意整理の事実が発覚するため、再発行できない可能性が極めて高いでしょう。
家族の信用情報は?
本会員が任意整理をしたことにより、家族カードが強制解約になっても、家族が信用情報、いわゆるブラックリストに登録されるわけではありません。
任意整理しても、事故情報が登録されるのは本会員である契約者のみということになります。
これは、家族カードは、本会員の信用に基づいてその利用可能枠を使っているだけの立場のため、家族の信用は本会員の任意整理とは無関係であるからです。
更新ができない
任意整理の対象としなかった別のクレジットカードは、家族カードも含め引き続き使用することが可能です。
しかし、任意整理をしてから約半年以内もしくはカード更新のタイミングで本会員の事故情報が確認されることにより、強制解約またはカード更新の拒否となってしまう可能性が非常に高いでしょう。
よって、任意整理の対象から外した本カード、家族カードがあるとしても、使い続けられるのはわずかな期間であるという認識が必要です。
家族カードの利用者である家族が任意整理した場合

本カードと家族カードは常にセットのため、本カードを残して家族カードのみを任意整理することはできません。
家族カードの借金を任意整理したい場合、家族カードの支払い義務は主契約者にあるため、主契約者である本会員にカードの任意整理を行ってもらう必要があります。
つまり、家族カードの借金を任意整理するのであれば、自動的に本カードも任意整理の対象となるのです。
また、家族カードの使用者が、別の借金を任意整理しても本会員の信用に影響が出ることはありません。
信用情報は個人単位であるため、家族が任意整理をしたとしても他の家族の信用情報への影響は全くないことになります。
よって、家族カードの利用者である家族が任意整理を行なったとしても、本会員が支払いを怠らない限り本カードも家族カードも使い続けることが可能となります。
債務整理後も利用できる支払方法を紹介

クレジットカードを任意整理することによってブラックリストに登録されるため、数年間はカードの新規発行はできません。
任意整理を検討しているものの、「カードがないと日常生活に支障をきたす」、「家族カードまで使えなくなるのは家族に迷惑がかかる」と悩んでいる人も多いでしょう。
任意整理によって本カードや家族カードが使えなくなったとしても複数の代替のキャッシュレスサービスがあります。
以下で3つのサービスを紹介します。
デビットカード
デビットカードとは、カードの利用と同時に紐付けした銀行口座から引落される仕組みのサービスです。
基本的にクレジットカードのような審査がないためブラックリストに載っている状態でも発行できます。
最近では、デビットカードが使用できる店舗も多いため気軽に使用できる点も魅力です。
また、銀行口座の残高の範囲内でしか利用することができないため、使いすぎの防止にもなるでしょう。
デビットカードは指定口座の金融機関で簡単に手続きができます。
一度取引の金融機関に相談してみましょう。
プリペイドカード
事前に現金をチャージして使用するプリペイドカードもおすすめです。
事前にチャージした金額分しか利用できないため、原則として審査なし年齢制限なしで誰でも作れます。
プリペイドカードの家族カードを利用すれば、アプリ上でどこでいくら使ったのか家族の支出をすぐに把握できるサービスもあるので家計管理に便利なサービスでしょう。
プリペイド式のサービスの例としては、QUOカードやAmazonギフトもありますが、交通系ICのSuicaやPASMOを日常的に使用している人も多いのではないでしょうか。
プリペイドカードの特徴である事前チャージによって、クレジットカードにありがちな使いすぎを未然に防止できる点も最大の魅力といえるでしょう。
チャージ式のスマホ決済
チャージ式のスマホ決済であれば、審査不要のためブラックリスト登録後でも使用することができます。
スマホ決済といえば、PayPayや楽天ペイ、LINEペイなどさまざまな種類があります。
ただし、チャージ式のみでの利用となるため注意が必要です。
ブラックリストから情報が削除されるまでは、クレジットカードと紐づけての利用やキャッシングの利用はできません。
また、債務整理直後は一定期間アカウント凍結などで使用できなくなる可能性もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ

クレジットカードの本会員である契約者が任意整理することによって、家族カード、本カードは自動的に強制解約となってしまいます。
一方で、家族カードの保有者が任意整理を行なっても本カード、家族カードに影響は出ないため任意整理後も使い続けることが可能です。
また、家族カードを滞納した場合、ブラックリスト登録などのペナルティは契約者に課せられてしまうため代償は想像以上に大きいものです。
借金問題は初期対応が重要です。
クレジットカードの返済に行き詰まってしまった場合は、出来るだけ早く弁護士などの専門家に相談して解決策をあおぐようにしましょう。