【債務整理】相談から解決までの流れを詳しく解説!

こんにちは!弁護士の南です!

今回は、債務整理の流れを相談から解決まで全てお話ししようと思います。

早速ですが皆さんの周りで「借金が一向に減らずに困っている」「けがや病気で働けなくなり、借金をするようになってしまった」

「仕事が変わって収入が減り、返済が厳しくなった」こんな方はいませんか?

またはご自身が「まさにそういう状況です」という方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士の私からすると、そんなときは早めに債務整理の相談をすることをおすすめします。

ただ、いざ債務整理をするとなると、難しくて面倒くさそうな手続きが待っていそうな気がして不安になりますよね?

その気持ちはよくわかります。

そこで今回は債務整理の実際の流れがどんな風になっているのか?を知っていただいて

皆さんの不安を解消できればと思います。

債務整理の相談から解決まで4つに分けてお話していきます。

まずは、「専門家への相談」について、次に「債務整理方法の決定」について

そして次に「依頼・受任通知の発送」について最後に「手続き開始」についてという順番でお話していきますので、「債務整理したほうがいいんだろうけど、不安が大きくて相談できない」

「専門家に相談したり裁判所に出向いたり、なんだか大変そうだなぁ」と思っている方は、ぜひともこの記事を最後までご覧ください。

それではいきましょう!

YouTubeでこの記事の内容を見たい方はこちら!

債務整理の流れ

それではまず、債務整理の流れ1つ目の「専門家への相談」から詳しく解説していきます。

専門家への相談

債務整理は、実は専門家の手を借りずに自分自身で行うことも可能ですが

自分で行うには専門知識や交渉能力、書類作成能力が必要なので、まずは弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家への相談は無料でできるところが多いので、複数の事務所に気軽に相談してみるといいでしょう。

逆を言えば、相談料を取るような事務所はスルーしてしまってもいいと思います。

専門家を選ぶ際には、やはり債務整理の実績の豊富さに着目すべきです。

専門家と言ってもそれぞれ得意ジャンルが異なりますので、ちゃんと債務整理が得意な専門家を選んでください。

間違っても、離婚弁護士に債務整理を依頼するようなことがないように!

債務整理の手続き自体はできると思いますが、交渉がうまくまとまらなかったり、希望額まで借金が減額されなかったりといったリスクが起こりえますからね。

基本的にインターネットで専門家をお探しいただくことになると思いますが、こちらのチャンネルでもLINEで相談ができるので、もしも周りにめぼしい専門家がいなければ、気軽にご相談ください。

また、最近だとオンライン面談が可能な事務所も増えているので、むりやり近場で探そうとしなくても大丈夫です。

どのタイミングで専門家に相談すべきか悩む方もいるかもしれませんが、この問題に関しては結論が出ています。

専門家に相談するタイミングは、早ければ早いほどいいです。

相談する際には債務整理をすると決めていなくても全然かまいません。

本当に軽い気持ちで相談してみてOKなので、まずは相談することから始めましょう。

その際、

  • 借入先
  • 借入額
  • 借入の開始時期
  • 月々の返済額
  • 収入額と支出額
  • 資産の所有状況
  • 借金の理由

の7項目あたりはマストで聞かれると思いますので、このあたりは事前にメモを取っておくと受け答えがスピーディーにできます。

相談にかかる時間は30分、長くても1時間程度ですから普段忙しい方でも、仕事の合間を縫って相談することは全然できるのではないでしょうか。

債務整理方法の決定

続いて、2つ目の債務整理方法の決定について解説します。

先ほども申しあげたとおり、専門家に相談した時点では債務整理をするかどうか決めていなくて構いません。

当然、どの債務整理方法にするか、なんて全く気にする必要はありません。

相談するだけで、あなたが現在置かれている状況を専門家が把握でき次第、あなたに合った解決策を向こうから提示してくれます。

専門家が解決策を特定しやすいように、あなたのなかで譲れない条件などがあったら、それはしっかりと専門家にお伝えしてください。

たとえば「家族や職場にバレない方法で債務整理をしたい」とか「ローン支払い中の車を手放したくない」など、条件は遠慮せずにしっかりと伝えましょう。

あなたのお話を聞いた専門家はおそらく任意整理・個人再生・自己破産の3つの手続きの、どれかを提示してくると思いますので、ここでこの3つについてそれぞれ簡単に違いを解説しておきます。

【任意整理】

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、お互いの合意の下で無理のない返済方法を決める手続きです。

任意整理のメリットは主に6つあって、それぞれ次の通りです。

①将来利息・遅延損害金の減額・カットが可能

②過払い金があれば元金も減額できる

③督促・取り立てが原則ストップする

④任意整理したい借金を選べる

⑤家族や会社にバレずに行うことができる

⑥家や車といった財産を残せる

その一方で、任意整理には次の4つのデメリットもあります。

①ブラックリストに載り、クレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなる

②あくまで交渉なので、希望条件で和解できるとは限らない

③任意整理後も返済が3〜5年続く

④借金の元金は原則減額できない

費用は債権者1社につきおよそ5〜10万円がかかるイメージです。

仮にあなたが3社から借金をしていたら、大体15〜30万円ぐらいがかかるはずです。

【個人再生】

個人再生とは、裁判所を通して借金を100万円や300万円に減額、あるいは借金総額の1/5〜1/10程度まで減額して原則3年、場合によっては最長5年以内の返済を目指す手続きです。

個人再生のメリットは主に5つあって、それぞれ次の通りです。

①借金の元金を5分の1~10分の1程度に減額できる

②借金をした理由が問われない

③ローンを完済していれば家や車などの財産を残せる

④手続き中の職業の制限がない

⑤強制執行による差押えの停止が可能

また、個人再生のデメリットは次の5つです。

①ブラックリストに載り、クレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなる

②国が発行する冊子「官報」に個人情報が載る

③個人再生後も返済が3年間(最長5年間)続く

④保証人に一括返済の請求が行く

⑤手続きが複雑で、かかる期間も長い

費用としては合計約70万円ほどといったところでしょうか。

内訳としては、裁判所費用 約20万円〜、専門家費用 約50万円〜です。

【自己破産】

自己破産は、借金を0にできる手続きです。一定の財産と引き換えに「あなたには借金の支払い能力がないので、もう借金を返済しなくてよい」と裁判所から法的に認めてもらいます。

自己破産のメリットは主に2つです。

①原則として借金が0になる

②主婦やフリーター、無収入の人も可能である

最後の切り札なので、自己破産はメリット以上にデメリットが存在します。

自己破産のデメリットは次の5つです。

①ブラックリストに載り、クレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなる

②国が発行する冊子「官報」に個人情報が載る

③家や車などの財産は原則として換価して配当に回される

④保証人に一括返済の請求が行く

⑤比較的周囲に知られやすい

ちなみに自己破産の費用には幅があり、約30〜130万円と言われています。

内訳としては、裁判所費用 約20万円〜、専門家費用 約50万円〜です。

なぜここまで振れ幅が大きいのかというと、自己破産は

・同時廃止 ・管財事件 ・少額管財の3つに分かれていて、一番安い同時廃止と一番高い管財事件で金額にかなりの開きがあるからです。

依頼・受任通知の発送

3つの債務整理方法の違いについてご理解いただけたところで、次に3つ目の「依頼・受任通知の発送」について詳しく解説していきます。

希望の債務整理方法で専門家に業務を依頼することが決まれば、専門家は債権者に「受任通知」と呼ばれるものを発送し、同時に取引履歴の開示請求を行います。

受任通知とは、債務者が債務整理を行うことを債権者に通知するものです。

法律上、これを受け取った債権者は、以降全ての連絡を専門家を通じて行う必要があり、債務者に対して、返済の催促を行うことができなくなるんです!

また、債務整理の手続き中は返済を一時的に中断することが認められているので、受任通知を発送した時点から手続きが終了するまで、返済義務がなくなります。

つまり、正式に借金の減額が決定するまで、返済で頭を悩ませる必要がなくなるのです。

これは借金で苦しんでいた方にとって、非常にありがたい制度ですよね?

そして、正確な借り入れ状況を把握するために行われるのが、取引履歴の開示請求です。

取引履歴は債権者から開示してもらうものなので、仮にあなたの手元に履歴がわかるものがなくても問題ありません。

取引履歴が開示され次第、これまでの履歴をもとに、過払い金が発生するかどうか調べるため、引き直し計算が行われます。

手続き開始

続いて、最後となる4つ目の「手続き開始」について解説します。

もしもあなたが任意整理を選択した場合、債権者と債務者の双方が納得できる形で和解を成立させることを目指します。

和解をする際には、毎月の返済額や返済期間などの合意内容を記載した和解書を締結します。

個人再生と自己破産は裁判所を通じた手続きとなるので、裁判所からの認可を待ってようやく手続きが確定となります。

手続き完了までの期間は、任意整理なら約3~6カ月ほど個人再生と自己破産は約6カ月~1年ほどです。

個人再生と自己破産を選んだら長期的なやり取りとなり、事務所だけでなく裁判所に足を運ぶ機会も増えてきます。

債務整理の手続きが完了したその後

ではここから、債務整理の手続きが完了した「その後」についても解説します。

自己破産を選んだ場合は簡単です。

分割払い

事務所へ自己破産にかかった費用を支払いすれば、それで終了です。

一括で支払うのが難しければ、分割払いも承っている事務所も多いので、そのあたりは事前に確認をしておくといいでしょう。

事務所へ自己破産にかかった費用を支払いすれば、それで終了です。

任意整理と個人再生を選んだ場合も、ひとまず事務所に費用を支払いましょう。

それと同時に、任意整理を選んだなら和解書の内容に従って、個人再生を選んだなら再生計画書の内容に従って返済がスタートします。

従来の返済条件から、新たな返済条件に切り替えての返済が開始されるわけです。

せっかく時間とお金をかけて債務整理を成功させたのですから、新条件での返済は怠らないようにしましょう。

ここを油断して返済を怠ってしまうと、せっかく成功させた債務整理が頓挫してしまいます。

そうなると、債権者が怒って一括請求を要求してきますし、もう一度債務整理を行おうとしても条件がより厳しくなりますので、くれぐれも返済は怠らないようにしてください。

弁済代行

怖いのが、返済のウッカリ忘れ。

ウッカリで返済をし忘れて債務整理が失敗に終わる、なんて絶対に避けたいですよね?

そんなときは、債務者に代わって専門家が返済手続きを代行する「弁済代行」を利用しましょう。

弁済代行を利用すると、債務者がすべきことは専門家の口座に返済資金を入金しておくだけ。

すると、毎月の返済日に専門家が債務者に代わって各債権者への弁済を代行してくれます。

口座への入金がなければ連絡をくれるので、入金忘れもなくなります。

ウッカリ忘れを防ぎたい方は、この弁済代行を利用することをおすすめします。

弁済代行は、債務整理を受任した専門家がアフターサービスの一環で行うものなので、債務整理後に改めて専門家を探す必要はありません。

弁済代行の費用は、振り込み1件当たり1000円程度が相場です。

たとえば、毎月4社に返済するなら、手数料として月々4000円が発生します。

というわけで、ここまで債務整理の流れを4つにわけてお話してきましたが、

債務整理手続き中の注意点

最後の最後に、債務整理の手続きの際、必ず注意しておいてほしいことを2つお伝えしたいと思います。

これを知らないと、債務整理がスムーズに進まないため必ずチェックしてくださいね!

新たな借入やクレジットカードの利用は控える

1つめの注意点は、新たな借り入れやクレジットカードの利用は控えることです。

債務整理手続き前、もしくは債務整理手続き中に新たな借り入れをした場合、

債務整理を前提とした借り入れだとみられてしまい、債務整理が認められない可能性がグッと上がります。

これはクレジットカードを利用した場合も同じですので、債務整理をすると決めたら、新たな借り入れもクレジットカードの利用も絶対に控えてください。

特定の借入先に返済をしない

2つめの注意点は、特定の借入先に返済をしないことです。

これは個人再生や自己破産を選んだときに注意すべきことですね。

個人再生と自己破産を選んだ場合、全ての債権者を平等に扱うという前提があります。

つまり自分で特定の借入先を選んではいけないんです。

これには、家族や友人への個人的な返済も含まれます。

もしも特定の借入先への返済が発覚したら、手続きが認められなくなる可能性があるので

こちらも絶対に控えてください。

というわけで、2つの注意点についてお伝えしました。

くれぐれも気をつけてくださいね!

まとめ

最後に、これまで何人もの借金相談を受けてきた私から皆さんにお伝えしたいことがあります。

今回お話した通り、債務整理は、借金で苦しんでいる方にとっての強い味方です。

ですから、1人で思い悩むのは今日で終わりにしましょう。

もし今「借金が苦しいけど、債務整理すべきか迷っている」

「債務整理した後のデメリットが不安で、決断できない」

こんな風に考えているのであれば、すぐに弁護士や司法書士に相談してみてください。

相談だけなら無料なところが多いですし、まずは今の状態を誰かに話すだけでも冷静になれるはずです。

そして、必ず、借金解決の糸口が見つかるはずです。まとまってなくても構いません。

今とにかく苦しい、困っている、そんな状況をお伝えするでも良いのでまずは専門家に相談するようにしてください。

こちらでも、公式LINEからお問い合わせいただければ、実績豊富な債務整理の専門家に無料で相談できます。

ですから、今回の記事を見て少しでも債務整理について興味を持ちましたらぜひLINE登録してみてください。

1人で悩むよりもまずは一歩踏み出してみて、早めに相談しましょう。

というわけでここまで記事を見ていただきありがとうございました!