パチンコなどのギャンブルに依存してしまい、多額の借金を抱えている人は少なくありません。
パチンコを含むギャンブルで生じた借金は、平均して約400万円と言われています。
このような状況であれば、ギャンブル依存症の可能性を疑い、返済方法の検討が必要です。
今回の記事では、パチンコの借金平均額をはじめ、パチンコの借金はいくらだとやばいのか?、膨れ上がったパチンコの借金を返済する方法について解説します。
パチンコをはじめ、ギャンブルによる借金にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
パチンコの借金平均額は?

日本人にとって身近なギャンブルであるパチンコ。
暇つぶしに始めてみたら、いつの間にかのめり込んでいたと言う人も多いようです。
ここでは、パチンコによる借金平均額と、ギャンブル依存症の可能性について解説していきます。
借金平均額は?
日本国内のパチンコなどのギャンブルによる借金の平均借入額は約400万円で、6割以上がパチンコによるものと言われています。
平均借入額である400万円は、多くの場合、年収の1/3を超える額になり、個人の返済能力を大幅に超える可能性があります。
パチンコ依存に陥った人々は、金銭感覚の麻痺から、返済計画を無視して複数の消費者金融やカードローンから借り入れを行う傾向にあります。
冷静な判断ができず、借金を借金で返す悪循環に陥ってしまい、最終的にどこからいくら借りているのかも分からなくなってしまうケースも。
加えて、パチンコなどのギャンブルによる借金は長期化しやすく、利息の蓄積により返済総額が増加する傾向が顕著です。
少しでも自分の金銭感覚に危機感を感じたら、まずは何社から総額どれくらいの借金があるのか、借入の頻度はどれくらいなのかについて客観的に確認してみましょう。
事実確認をして、常に危機感を持ってお金の管理をすることが重要です。
ギャンブル依存症の可能性
ギャンブル依存症の最大の特徴として、借金してまでギャンブルを続ける行動や、「次こそは勝てる」と、ギャンブルに負けた際の取り戻す行動があります。
自分に該当する項目がないかチェックしてみましょう。
・ギャンブルにのめり込む
・興奮を求めて掛金が増えていく
・ギャンブルをやめようとしてもうまくいかない
・ギャンブルをしないと落ち着かない
・負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
・ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする
これらの行動は、返済能力を超える多額の借金を生み出す原因となりがちです。
依存症の克服と借金問題の解決は密接に関連しているため、借金の返済計画を立てる際には、依存症への対処も同時に考慮する必要があり、専門家の助言が有効でしょう。
パチンコの借金はいくらだとやばい?

パチンコによる借金があっても、自分の場合どれくらいの借金額だったらやばいのか、いまいちピンとこない人が多いのではないでしょうか。
一般的には、以下の項目にひとつでも当てはまる場合は注意が必要だと言われています。
・年収の1/3(総量規制)を超えた借金
・消費者金融やカードローンなど複数借り入れがある
・リボ払いを繰り返している
・長期間にわたり返済している
・借金を滞納している
以下でひとつずつ見ていきましょう。
年収の1/3(総量規制)を超えた借金
一般的には、借金額が自身の年収の3分の1を超えていると、自力での返済が難しい状態とされています。
たとえば、年収400万円の人の場合は、130万円が借金総額のボーダーラインとなります。
消費者金融やカード会社などは「総量規制」という貸金業法に基づくルールによって、年収の3分の1を超える貸付けができない決まりになっています。
つまりこれは、国が年収の3分の1を超えると返済能力を超えてしまうと考えている、ということです。
借入れの際には、都度この裁量規制を念頭に、返済能力を超えていないか確認することが重要です。
消費者金融やカードローンなど複数借り入れがある
複数の消費者金融やカードローンから借入れをしている、いわゆる多重債務の状態も、かなり危険な状況です。
とくに、借金を返済するために別の貸金業者から新たに借入れを繰り返しているような状態、いわゆる自転車操業は、すぐにでも解決すべき深刻な状況でしょう。
複数の業社からの借金は、管理がしにくく、返済計画を立てることも困難です。
加えて、消費者金融やカードローンからの借り入れは、金額が大きくなるほど金利が下がるため、複数の貸金業者から少額の借り入れを繰り返している場合は、1社からまとめて借入れている場合に比べて、利息も高額になりがちです。
このような状態であると、利息の支払いに追われてしまい、なかなか元金が減らないという現象が起こってしまいます。
リボ払いを繰り返している
パチンコで借金をしている人の中には、手軽に引き出せるクレジットカードのキャッシング機能を利用している人も多いのではないでしょうか。
ただし、返済方法にリボ払いを設定しているのであれば、見直す必要があります。
そもそも、リボ払いは「月々1万円ずつ」といったように、毎月、自分で設定した金額を返済する方式です。
毎月の返済額が一定のため、支払いを終えない状態で現金を引き出してしまうと、利用残高が膨れ上がることになります。
このため、返しても返しても借金が減らない状態に陥りやすく、正確な利用残高や支払総額が把握しづらいため、返済不能となる要因となります。
長期間にわたり返済している
パチンコの借金を「5年以上借金の返済をし続けている」といった人も注意が必要です。
なぜなら、利息は元金の大きさや金利の高さだけではなく、返済期間が長期化することでも高額になるためです。
たとえば100万円を年18%で借りた場合、毎月約10万円返済した場合と、毎月約2万円返済した場合の返済期間と返済総額は以下のとおりです。
毎月の返済額 | 完済までの期間 | 利息総額 | 総返済額 |
99,293円 | 11ヶ月 | 92,223円 | 1,092,223円 |
20,321円 | 7年6ヶ月 | 828,890円 | 1,828,890円 |
毎月の返済額が約10万円の場合、利息総額が92,223円に対して、返済額が約2万円となると利息総額が828,890円とかなり高額となっていることがわかります。
借金返済を5年以上続けても、まだ完済の目処がたっていないのであれば、返済額や生活状況を見直すべきと言えるでしょう。
借金を滞納している
借金を滞納すると、遅延損害金が発生して、返済するまで支払額が増え続けてしまいます。
さらに放置すると、ブラックリスト入りに加えて、最終的には給与や財産が差し押さえられる事態に発展する恐れもあります。
もし、すでに滞納状態にある場合は、パチンコの回数を減らす、支出を見直すなどの解決に向けた行動を起こすことをおすすめします。
パチンコの借金を返済する方法

パチンコによる借金は、深刻な状況となる前に手を打つことが最も重要です。
パチンコの借金は主に3つの方法で対処できます。
以下で、具体的な解決策を見ていきましょう。
家計を見直す
家計の見直しと聞いて「そんな当たり前のことか。」と感じる人もいるかもしれませんが、借金返済の対処法としては必ず押さえておくべきポイントです。
たとえば毎日のコンビニでの小さな支出を削減したり、住居費用や公共料金、通信費などの固定費を見直すだけでも効果的です。
もっとも重要なのは、支出を減らし、返済可能な金額を年収の3分の1に抑えることです。
このような小さな積み重ねで、借金返済に大きな違いをもたらすことがあります。
貸付自粛制度の利用
貸付自粛制度とは、ギャンブル依存症者がさらなる借金をすることを防ぐための制度です。
ギャンブル依存症の傾向がある場合は、無意識にキャッシングしてしまう人も少なくありません。
この制度を利用することで、追加の借入を防ぐことができるため、総借入額の増加を抑制できるでしょう。
弁護士に債務整理を相談する
「パチンコによる借金が想像以上に膨らんでいて、返済の目処が立たない。」とお悩みであれば、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
債務整理によって、借金返済の負担を軽くすることができる可能性があるためです。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などの選択肢があります。
・任意整理:債権者に直接交渉して利息のカットや支払い期間の延長を行う手続き
・個人再生:裁判所を介して借金を5分の1〜10分の1程度減額してもらう手続き
・自己破産:裁判所を介して借金を全額免除してもらう手続き
ただし、自己破産はギャンブルに起因する借金では免責が認められにくい場合があるため、弁護士などの専門家に相談しながら慎重に進める必要があります。
債務整理をすることで、借金の総額を減少させ、これまで難しかった返済計画を再構築するのに効果的です。
まとめ
パチンコによる借金の問題に直面した場合、速やかに行動を起こすことがとても重要です。
とくにギャンブル依存症となっている場合、自身の行動を客観的に捉えるのが難しくなります。
早めに対応することで、借金額や依存症の症状を抑えることが期待できるため、少しでもおかしいと感じた段階で、専門家に助言を求めるなどの行動をおすすめします。