【債務整理】借金500万を債務整理したらどうなる?

YouTubeでこの記事の内容を見たい方はこちら!

こんにちは!弁護士の幸谷です。

今回は、借金500万円を債務整理する場合、どのような流れになるのか解説していきます。

借金500万円と聞いて、あなたはどう思いますか?「500万円なんて大金、実際に債務整理をする時のイメージがわかない……」と思った方や、

「もし、自分が返済することになったらどうすればいいんだろう?」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、借金が500万円ある場合、債務整理をした方が良いのか?

そして、実際に債務整理をする場合にどのような方法があるのか?について、弁護士の視点から解説します。

債務整理を検討している方、多額の返済に困っている方は、この記事を最後までご覧いただくことで、借金問題に対する一つの解決策を見つける手助けになるはずです!

借金が500万円まで膨らんでしまう理由

どうしたら、借金が500万円まで膨らむのかイメージできない!

そう思う方もいらっしゃるでしょう。そこでまずは、借金が500万円まで膨らんでしまう理由について解説します。

現在の日本では、借金が原因で生活が立ち行かなくなってしまう事態を避けるために、貸金業者には総量規制というルールが課せられています。

総量規制とは、貸金業者による返済能力を超えた貸付けを規制するための制度です。総量規制では、個人の年収等を基準とし、その3分の1を超える貸付けは原則的に禁止されています。

また、保証人がいる場合でも年収の3分の1を超える貸し付けはできません。だったら、借金が500万円まで増えることは滅多にないんじゃないの?

そう思う方もいらっしゃると思います。

たしかに、総量規制の原則から考えると、500万円の借金をするには1500万円以上の年収が必要になります。年収が1500万円以上というと、平均年収よりもかなり多い金額ですよね。

しかし、現実にはそこまでの年収がなくても、500万円の借金をする人がいます。

なぜかというと、総量規制は貸金業者、つまりアコムやアイフルなどの消費者金融やクレジットカード会社にしか課されないからです。

銀行が提供しているカードローンや、信販会社によるショッピングクレジットなどは総量規制の対象外なので、借りる金額が年収の3分の1を超えていても問題ありません。

このような、総量規制の対象外の借入れを繰り返してしまうと、借金が500万円にまで膨らんでしまうことがあります。

ここまでの説明で、そこまで年収がなかったとしても500万円の借金を背負ってしまう可能性があることをご理解いただけましたね?

次に、借金が500万円ある場合は債務整理をするべきなのか?ということを解説していきます。

500万円の借金は債務整理が必要なのか

年収が高くなくても500万円の借金を抱えてしまうことがあるのはわかったけど、もしそうなったら債務整理をした方がいいの?

そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは、500万円の借金を抱えてしまった時、債務整理をするべきなのかを解説していきます。

結論から申し上げると、借金が500万円もある場合は債務整理をした方が良いです。

なぜかというと、借金を放置していると利息がとんでもない金額になってしまうからです。

こちらの表をご覧下さい。これは、500万円の借金がある場合における1ヶ月あたりの利息の金額です。

金利が4%でも毎月16000円以上の出費になりますね。

そう考えると、利息だけでもかなりの金額を返済しないといけないことになります。

また、数ヶ所から借金をしている多重債務状態になっている場合など、金利が15~18%になってしまうケースもあります

そうなると、1ヶ月の利息だけでも6~7万円ととんでもない金額になってくるので注意が必要です。

1ヶ月あたりの利息はわかったけど、借金を完済するまでには結局いくら支払うの?と思った方もいらっしゃいますよね。

500万円ともなると、トータルで支払う金利の額をイメージするのは難しいと思います。

ここからは、借金500万円を5年で返済すると仮定した場合にトータルでいくら利息を支払うのか説明していきます。

こちらの表をご覧下さい。これは、借金500万円を5年で返済する場合における月々の返済額と、トータルで支払う利息の金額です。

500万円の借金を5年かけて返済すると、完済するまでに支払う利息の金額がとんでもないことになっていますよね。

借金の大半が奨学金など、金利が1~2%程度のものなら問題ないでしょう。

しかし、金利が10%以上になった場合、返済に5年以上かかると、トータルで支払う利息は100万~300万円まで引き上がってしまいます。

返済に時間がかかりそうな方、多重債務などで金利が10%を超えている方は、支払う利息を減らすためにも、一度債務整理をすることを検討してみて下さい。

ここまでで、借金が500万円まで膨らんでしまう理由や、債務整理の必要性をご理解いただけたかと思います。

利息を減らすために債務整理をした方がいいのはわかったけど、やり方がわからない……と思ったあなた。

ここからは、実際に債務整理をする時のポイントを解説していきますよ!

任意整理について

ここからは、500万円の借金を債務整理する時にどのような方法があるのか解説していきます。

まず、任意整理をする際のポイントについてお伝えします。

みなさんは、任意整理という言葉をご存知でしょうか。任意整理とは、債権者と直接交渉し、双方の合意の下で無理のない返済計画を取り決めるという制度です。

任意整理をした場合、将来利息をカットして残債を3~5年で返済していくことになります。

しかし、借金が500万円の場合は、任意整理後の月々の返済額が8~14万円とかなり高くなってしまうので、減りはしたものの支払いが難しいケースも多いです。

ただ、その一方で、債務者本人に毎月15万円ほど返済できる能力がある、奨学金など低金利の借金が大半を占めている、多額の過払金が発生している、などの条件があれば、場合によっては自己破産や個人再生ではなく任意整理で解決できることもあります。

任意整理は他の手続きと違い、裁判所を通さずに行えるうえ、財産を失うことがありません。

メリットが多い方法ではあるため、先程の条件に当てはまる方は任意整理を行うことを検討してみて下さい。

次は、自己破産について解説していきます。

自己破産について

自己破産という言葉は、聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。

自己破産は、借金の支払いが不可能であることを裁判所に認めてもらったうえで、借金を返済しなくても良いという決定をもらう制度です。

借金が500万円もあるのに、本当に全額返済しなくて良くなるの?そう心配になる方もいらっしゃると思います。でも、大丈夫です。

借金が500万円あっても、自己破産をすれば、基本的には全ての債務が免責の対象となります。

借金の返済をしなくても良くなるのは、とても大きなメリットですよね。ただ、その反面自己破産にはいくつかデメリットもあります。

まず、20万円を超える財産と99万円を超える現金を手放す必要があります。

そのため、基本的に家や土地などは処分が避けられませんし、車を持っている方は、車も処分される可能性があります。

そして、自己破産は全ての借金が免責の対象となるため、ローンが残っている住宅や車はほぼ確実に手放さなければいけません。

また、警備員や保険外交員など、特定の職業や資格は免責を受けるまでの間、職業制限がかけられます

例えば、警備員として働く方が自己破産をすると仮定しましょう。

その場合、破産手続きが完了し免責決定が確定するまでの期間、場合にもよりますがおおよそ半年間、この方は警備員として働けなくなります。

ですので、制限の対象となる職業に就いている方が自己破産を行う場合は注意が必要です。

しかし、様々なデメリットがあるとはいえ、借金を返済しなくても良くなると、金銭的な負担が大きく減ります。

特に、大きな財産もなく、やむを得ない事情で債務が増えてしまったという方は、同時廃止という形でスムーズに自己破産の手続きを行うことが可能になります。

同時廃止とは

同時廃止とは、自己破産手続きの種類の一つで、破産手続き開始決定と同時に、破産手続きが終了するものです。

この説明では、なかなかピンとこないかと思いますので、詳しく解説します。

自己破産の手続きでは、本当に財産がないかを調査したり、もし財産がある場合には債権者に平等に分配して、さらに残った借金を免除をすることができるかを裁判所が判断するためにいくつかの調査が行われます。

しかし、自己破産の申立ての書類の内容から判断して、財産がない状況であることが明らかで、借金の免責が不許可になりそうなものがないのであれば、そもそも調査の必要がないと判断されます。

そのため、問題のない自己破産の手続きでは、裁判所に自己破産を申し立てて破産手続きの開始と同時に手続きを廃止することを定めており、これを同時廃止と呼んでいるのです。

同時廃止という形を取れば、保証人の付いた借金がなければ、保証人に迷惑を掛けることもないでしょう。

500万円の債務がすべて免責になるのであれば、そのメリットの方が遥かに大きいため、大きな財産がない場合などは自己破産することを検討してみて下さい。

次は、個人再生について解説します。

個人再生について

借金は500万円あるけど、サラリーマンのように安定した収入がある。そんな方は、個人再生を行うのも一つの手段です。

個人再生とは、裁判所を介して借金を5分の1~10分の1程度にまで減額し、原則3年間で返済するという制度です。

個人再生であれば、500万円の借金を5分の1の100万円ほどまで減らすことが可能です。

原則3年で返済するとなると、1ヶ月の平均支払い額を28,000円程度まで減らすことができます。安定した収入があれば、支払っていけそうな金額だと思いませんか?

個人再生の場合は、借金の理由が問われることはありませんし、制限される資格や職業も一切ありません。また、ローンが残っている住宅に関しても、ローン特則を利用すれば手放さずに済みます。

自己破産だと住宅ローンの返済が残っている場合は家を失うことになってしまうため、家を守るために個人再生の手続きを選択される方も多いです。

安定した収入が見込めて、ある程度の支払い能力がある方、家を手放さずに債務整理をしたい方は、個人再生を行うことを検討してみると良いでしょう。

まとめ

本日は、借金を500万円抱えている時の債務整理の必要性と、実際に債務整理を行う場合のポイントについてお話してきました。

そこまで高い年収を稼いでいないとしても、500万円の借金を背負ってしまう場合があります。

そのような時は、債務整理を行うことをおすすめします。

多額の借金を放置してしまうと、後々支払う利息の金額がとんでもないことになってしまいます。

また、債務整理を行う時には、それぞれの手続きのメリットとデメリットを理解し、自分にあった方法を選ぶことが大切です。

所有している財産や、見込める収入、返済能力などを考慮して、適切な方法で債務整理を行いましょう。

ここまで説明してきた通り、どの手続きを選ぶかで返済金額や失う財産の量などが変わってきます。

多額の借金を抱えてしまって困っている、という場合は一人で悩んでいるよりも借金解決のプロに相談したほうが早期解決にも繋がりますし、最適な選択ができます!

こちらでも、公式LINEからお問い合わせいただければ、実績豊富な専門家があなたの状況をヒアリングし、どの債務整理だったらできるのか?どの債務整理があなたにとってベストなのか?を提案します。

もちろんLINE登録は無料ですし、相談も何度でも無料です。全国どこからでも受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。