【末路】任意整理の支払いを延滞したらどうなる?対処法も解説!

こんにちは!弁護士の幸谷です!

みなさんは任意整理を知っていますか?

任意整理は債務整理の中でも最も手軽に借金を減らせる方法で、毎年200万人もの方が行われているとも言われています。

そんな任意整理ですが、いざ実際にしてみると「負担は楽になったけど、任意整理した後も支払いがきつい、、どうしよう。。。」

「借金を解決するために任意整理したのに、また延滞したらマズいよね・・・?」

任意整理を今している人、または任意整理を考えている人からすると、このような支払いに関する悩みが尽きないんです。

これまで何人もの方の相談に乗ってきた弁護士の私としても、このような相談は何度も受けてきました。

そこで今回は、任意整理後の支払いを延滞した場合どうなるのか?について解説していこうと思います。

また、実際に払えなくなってしまったときの具体的な対処法もお話します。

「任意整理をしたいけど、その後にまた払えなくなったらどうしよう。。」「任意整理を1回したけど、正直返済が辛い。。」

このような方にとって非常に有益な記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

それではいきましょう!

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任意整理後の支払いに遅れるとどうなる?

まずは、任意整理後の支払いに遅れるとどうなるか、「和解書」をもとに紐解いていきましょう。

和解書とは、その名の通り任意整理の和解内容を記載したものですが、そこには次のような文言が記載されているはずです。

「乙(任意整理をした人)が甲(債権者)に対する第2条の支払いを合計で2回以上遅延した場合は、乙は期限の利益を喪失し,以後債務の完済に至るまで残額に対して年●%の割合による損害金を付加して支払う。」

法律用語特有の回りくどさがあるので少し分かりにくいかもしれませんね。

これを分かりやすく言い換えると次のようになります。

「任意整理に基づく支払いを2ヶ月分延滞すると、残額が一括返済になり、さらに完済まで遅延損害金がつきますよ」

つまりここには、支払わなかった場合のペナルティが書かれていたわけですね。

ではここから、実際に延滞を2カ月にわたって繰り返したら、どのような末路が待っているのかを見ていきましょう。

1ヶ月延滞した場合

まずは、任意整理の支払いを1カ月ほど延滞してしまった場合です。

和解書に先ほどの契約条項があったなら、1カ月目の延滞に関してはすぐに遅れを解消すれば、それほど問題にはなりません。

債権者が大目に見てくれるわけですね。

といっても債権者が全く何のアクションもしてこないというわけではありません。

毎月の返済日に入金が確認できないと、債権者は当然、入金の催促をしてきます。

弁護士または司法書士事務所で送金管理をしている場合、債権者から事務所に催促の電話や請求書が届くことになりますし、ご自身で返済をしている場合は自宅に請求書が届いたり、携帯に連絡が来たりするでしょう。

ただし、この債権者のアクションに対し、

  • 債権者に連絡して支払いが遅れる旨といつ支払うかを伝える
  • 事務所に支払いが遅れる旨といつ頃入金できそうかを伝える

のようにきちんとリアクションを取り、のちに延滞を解消することができれば、大きな問題にはならないので、ご安心ください。

そのため、まずは一刻も早く遅れを取り戻し、通常の支払いスケジュールに復帰することを目指して動いていただければと思います。

2ヶ月延滞した場合

では続いて、任意整理後の支払いを1ヶ月分だけでは足らず、2ヶ月延滞してしまったらどうなるかを解説していきます。

ここでもう一度、和解書の内容を確認してみましょう。

和解書には次のように記載されていましたよね。

「任意整理に基づく支払いを2ヶ月分延滞すると、残額が一括返済になり完済まで遅延損害金がつきますよ」

つまり、支払いを2ヶ月分延滞すると、残額の一括返済に加えて、完済まで遅延損害金が発生するという二重のペナルティを受けることになるんです。

たとえば、100万円の借金を毎月2万円の50回払いで支払うという和解を成立させたとします。

その後、残り借金が50万円になったときに、2カ月間の滞納、計4万円分の支払いを延滞した場合、残りの50万円を一括で支払わないといけなくなります。

しかもこの50万円を支払うまでにかかった日数分、遅延損害金が加算されることになるんです。

遅延損害金の計算式は次の通りです。

借入残高×年率(14.6~20%)×滞納日数÷365日

仮に債権者の設定した年率が20%だとすると、2カ月間滞納した時点で遅延損害金は

50万円×20%×60日÷365日=16,438円になります。

といっても、そうそうすぐに50万円の返済はできないでしょうから、その間もどんどん遅延損害金が加算されていくことになるわけです。

これはなかなかに過酷ですよね?

ちなみに和解書の記載内容は債権者によって異なります。

なかには「1カ月分の延滞で残額が一括返済になる」という厳しい契約内容の債権者も存在しますので、和解内容は事前によく確認しておく必要があります。

ではこのように、任意整理後の支払いができなくなったときにどうすればいいのか?

もし今任意整理の支払いが遅れているという方がいたらこれからお話する対処法を必ずチェックしてください。

大丈夫です。まだ対応策はあるのでご安心ください。

任意整理の支払いができない時の対処法

それでは任意整理の支払いができなくなったときの対処法を教えます。

対処法は次の4つです。

  • 債権者へ連絡する
  • 追加介入する
  • 再和解する
  • 個人再生や自己破産に切り替える

それでは1つずつ解説していきます。

債権者へ連絡する

支払いができなくなったときの対処法1つ目は、債権者へ連絡することです。

債権者への支払いをご自身でなさっている場合は、債権者へ支払いが遅れることをただちに連絡しましょう。

そして、返済が遅れてしまう理由・いつまでに支払えるかなどを誠意をもって債権者に伝えてください。

これをやるのとやらないのとでは、債権者の心証が大きく変わってきます。

債権者への送金管理を弁護士や司法書士にお願いしている場合は、必ず事務所に相談してください。

このとき、返済できない事情や今後の返済見込みなどを正直に伝えましょう。

情状酌量の余地があれば、弁護士や司法書士が債権者に返済猶予の交渉をしてくれることもありますからね。

追加介入する

支払いができなくなったときの対処法2つ目は、追加介入することです。

なかなか聞きなれない言葉だとは思いますが、追加介入とは、最初の任意整理で除外した債権者を後から追加で任意整理することを言います。

つまり、任意整理していなかった債権者も任意整理してしまうことで、利息や遅延損害金をさらにカットしてもらい、月々の支払い負担を今よりも軽くしようという作戦です。

月々の支払い負担が軽くなれば、それだけ延滞のリスクも軽減されますからね。

ただし、この作戦には次のような注意点があります。

それは、

  • そもそも最初の任意整理で一部の債権者を除外していた場合にしか使えない
  • 住宅ローンや自動車ローンを任意整理すると、家や自動車を手放す必要が出てくる

という点です。

このように、追加介入ができるケースが限られているという点と追加介入にはリスクが伴うという点を、実行する前に押さえておく必要があるでしょう。

再和解する

支払いができなくなったときの対処法3つ目は、再和解することです。

再和解とは、読んで字のごとく、債権者ともう一度任意整理の交渉をして和解に応じてもらうことを言います。

任意整理は、裁判所を介さず債権者と直接交渉するものなので、債権者が交渉に応じてくれるなら、何回でも行うことができます。

とはいっても、それはあくまでも建前の話。

2回目以降の任意整理を実際に応じてもらえるかどうかは債権者によります。

債権者によっては再和解を受け入れてくれないところもあります。

また、再和解を受け入れたとしても、返済期間が短くなる、月々の返済額が上がるなど、当初の和解内容よりも条件は厳しくなると考えておいた方がいいでしょうね。

これは債権者の立場に立てば当然のことで、彼らからすれば一度裏切られたわけですから、こちらへの信用はゼロなわけです。

そこをなんとか和解に“応じてあげている”状態なので、条件が厳しくなるのは甘んじて受け入れるしかありません。

むしろ交渉に応じてくれただけでもありがたいというものです。

こう考えると、やはり支払いの延滞はするものではありませんね。

個人再生や自己破産に切り替える

そして、支払いができなくなったときの対処法4つ目は個人再生や自己破産に切り替えることです。

任意整理で返済できる見通しが立たない場合は、個人再生や自己破産といった他の債務整理に切り替えるというのも手です。

ご存じのない方に、ここで簡単に説明すると個人再生とは、裁判所を介して借金総額を1/5~1/10程度に減額してもらい、原則3年、最長5年で返済する債務整理です。

自己破産とは、原則として全ての借金の支払いを免除してもらう債務整理です。

どちらも任意整理と比べて大幅に借金を減額することができます。

自己破産に至っては、支払い義務が一切なくなるため、借金生活と完全におさらばすることになります。

ただし、いずれも実行するとなれば新たに弁護士・司法書士と契約しなおすことになるのでそこには当然、費用が発生します。

個人再生なら約30~70万円、自己破産なら約30~130万円という、けして安くない費用がのしかかってくることになるのです。

場合によっては、減額をしてもらっても任意整理のままの方が安くついたということもありえるため、この選択を取るかどうかはよく考えるようにしましょう。

任意整理の支払いを放置したらどうなる?

さて、ここまで支払いができなくなったときに取るべき対処法を解説してきましたが、仮にこうした対処法を取らずに放置していた場合、どんな末路が待っているのかもご紹介しておきます。

任意整理を弁護士・司法書士に依頼したものの、支払いを怠ったまま放置するという依頼人として不誠実な対応を続けた場合、なんと辞任される恐れがあります。

彼らに辞任されてしまうと、その後の一切の交渉を自分で行わないといけません

といっても、法律の知識がない状態で交渉に挑んでみてもいい結果が生まれることはほとんどないでしょう。

場合によっては話に応じてもらえず、最悪のケースでは訴訟を起こされることも考えられます。

これを避けるためにも、弁護士・司法書士に辞任された場合は、できるだけ早く別の専門家を探して、改めて依頼した方がいいでしょうね。

新たに専門家に依頼する際には

  • 前任の専門家に辞任された経緯を隠さず話す
  • 前任の専門家から書類を返却してもらう

必要があります。当然、そこには新たな費用も発生します。

費用の工面が難しいようなら、分割払いや後払いにできるかをあらかじめ相談しましょう。

理想はもちろん、辞任されないことです。

辞任されないようにするためにも、誠実な対応をするようにしてください。

まとめ

というわけで、今回は任意整理後の支払いを延滞した場合、どんなことになるのか?についてお話してきました。

任意整理の支払いを遅れても対処法はまだあります。人生が終わるわけではありません。

そもそも借金で人生が終わることは日本でもありえません。

それでも、一度借金を精算しようと決意して行った任意整理ですから、できる限り支払いができるようにやりくりした上でそれでもダメであれば今回お話した対処法を取ってください。

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