こんにちは!弁護士の幸谷です!
『その支払い、実はリボ払いになっていませんか?』
「リボ払いはやばい」それはほとんどの人が抱いているイメージです。
そんな警戒心の強い消費者に対して、カード会社がどんな方法でリボ払いを使わせるか知っていますか?
「うーん、リボ払いっていう名前がイメージ悪いから名前を変えればいいんじゃない?」
そこで生まれたのが大量の「隠れリボ払い」です。
今回の記事では、隠れリボ払いの実態と恐ろしさについて、リボ払い地獄に陥った方の事例も交えて解説していきます。
「気づいたらリボ払いがこんなに膨らんでいた…!」という方のために記事の後半では対処法を紹介します。
それではいきましょう!
隠れリボ払いとは

「リボ払いはヤバい」というイメージが定着するようになってから、企業は、名前はリボ払いではないけれども、その実態はリボ払いそのものであるサービスを提供し始めました。
なぜなら、企業にとってはリボ払いを利用してもらう方が、通常の利用よりも多く利息を支払ってもらえるので、より多くの利益を稼ぐことができるからです。
きちんと利用規約を読まずに「リボ」という名前が入っていないからと利用し続けていると、この企業が仕掛けた罠に引っかかってしまうことになります。
まず世の中にある隠れリボ払いサービスを紹介します。
中には、「え、このサービス使っているけど、実はリボ払いだったの!?」と思うサービスもあるかもしれませんので、注意してくださいね。
隠れリボの代表格はメルペイスマート払いの「定額払い」です。
そもそもメルペイスマート払いの支払いには一括払いと定額払いがあります。
このうち一括払いはクレジットカード決済のように翌月にまとめて一括で精算できるサービス。
しかし、定額払いだと、月々の支払いを設定して、毎月定額のみの支払いとなる一方で、手数料が年率15%もかかります。
ファミマTカードが提供する「ミニマム・ペイメント」も隠れリボ払いの1つです。
こちらもミニマム・ペイメントという名称でリボという単語は含まれていません。しかし実際の返済方式は、リボ払いと変わらないんです。
クレジットカード決済やキャッシング時に利用できるシステムで簡単に利用できますが、その利息はなんと18%もかかるんです。
なんだか可愛らしい名前のようにも見えますが、恐ろしいですね。
JCBカードの支払い方法で利用可能な「支払い名人」・三菱UFJカード「楽Pay」、アメリカン・エキスプレスカードの「ペイフレックス」もリボ払いと同じです。
どれも「リボ」という言葉はかけらも入っていませんよね。
しかし、毎月の支払い総額を自分で指定・変更でき、指定金額を超えた分の支払いは翌月に自動的に繰り越される、というリボ払いと同じ仕組みになっています。
とくに「支払い名人」では通常のリボ払いにはない、初回支払いの手数料無料というメリットもあります。
こうしたお得なサービスを提供しているのも、入り口のハードルを低くして利用者を増やし、その後の高い手数料で利益を回収しようとしているのです。
実際、2回目以降の支払いでは実質年率15%の手数料がかかるので、割安とは言えません。
こうしたサービスにはくれぐれも気をつけましょう。
リボ払いがヤバいと言われている理由

そもそもみなさんはリボ払いがなぜやばいと言われているか知っていますか?
「リボの仕組みはよく知らないけど、みんながやばいやばいって言ってるから、、」
という方は、この機会にしっかり理解しましょう。
まず、高い支払い手数料です。
カード会社によって多少異なりますが、リボ払いの手数料は年15%前後です。
この年利15%がどのくらいなのか、例を見てみましょう。
例えば、20万円の商品を月5000円のリボ払いで購入した場合です。
一括だと一気に20万円消えてしまうのに、それが月5,000円に抑えられると思うと支払いがすごく楽になりますよね。
しかし、これを総額で見てみると、完済までにこの月5,000円を40回も繰り返さなくてはならず、最終的には、24万8,715円にまで膨れ上がっているんです。
40回、つまり3年4か月かけて支払い終わったと思ったら、4万8,715円も多く支払っていたということになりますね。
しかしリボ払いが恐ろしいのは、手数料の高さというよりも、毎月の支払額がほぼ手数料で、元本は全然減っていないかもしれないという点です。
リボ払いでは毎月一定の金額を返済しますが、その中身は借金元本と手数料に分かれます。
たとえば残高が100万円で月々の 返済額が2万円の場合、元本は約8,000円で手数料が約12,000円
なんと、支払っている金額の半分以上が手数料なのです。
毎月銀行口座から引き落としがあって、払っている感覚はあるのに元本は減らない。
元本が減らないからかかる手数料も高くなる。
そして、いつまでも支払いが終わらない。
こうして永遠に返済し続けることになるのがリボ地獄の正体です。
リボ払いで人生転落した人の末路

リボ払いのヤバさがわかっていただけたでしょうか?
ここからは隠れリボ払いと知らずに使い続けてしまい、気づいたら支払い額が膨らんでいた事例を紹介します。
最近、このような事態に陥る方が続出中なので、他人事と思わずに聞いてくださいね。
40代専業主婦の女性の事例
今回紹介する事例に登場するAさんは40代専業主婦の女性。旦那さんと2人で仲良く暮らしていました。
そんなAさんは隠れリボ払いの罠にハマってしまうことになります。もともとAさんは買い物の支払いは現金で済ませるタイプでした。
ところが新型コロナの影響もあり、次第に電子決済をする頻度が増えるように。外出制限の期間は行動にも制限がかかります。
家での趣味も特になかったAさんは持て余した時間を埋めるようにネットショッピングにハマりました。
おうち時間を快適にするグッズや、忙しくて後回しになっていた美容もグッズを購入して再スタート。
旅行にも行けないのでご当地気分を味わうために、旬の食材を取り寄せて、家族でパーティもしました。
おうち時間が増えたことからインテリアにもこだわるようになり、ネットショッピングでお高めのプロジェクターとか家具を買ってみたり。
便利なカード決済にコロナ前は現金で支払っていたAさんの感覚も鈍ってしまったのかもしれません。
とはいえ、利用した分の支払いは問題なくできていた、、はずでした。ある事実に気づくまでは。
Aさんが自分の状況に気づくことになったのは、ある朝のニュースがきっかけでした。
何気なくニュースを流し見していると、キャッシュレスアプリの不正利用が話題に取り上げられていました。
「デジタルの時代は便利だけど、怖いこともあるもんだな」なんて思っていたところ、クレジットカードの支払い状況がAさんの脳裏をよぎります。
「そう言えば今月の支払いってどうなってたっけ?」「私は問題なく支払いできてるし、大丈夫だよね?」
おうち時間が増えて買い物の量は増えていた自覚はあったものの、Aさんは毎月問題なく支払いできていました。
「一応、確認しておこうかな」そう思ったAさんはスマホアプリからクレジットカードの支払い状況を確認します。
なんと、そこに表示された支払い残高には100万円を超える金額の表示が!!
想像もしていなかった金額にAさんは思わず
「えっ?!」
時が止まったかのようでした。
一体Aさんの身に何が起こったのでしょうか?
「どうしてこんな請求が?」と思ったAさんは動揺しながらも支払い残高の詳細を確認します。
するとある事実が判明。
Aさんの支払い残高はリボ払い設定によって積み上がったものだったのです。
しかし、Aさんには支払い方法をリボ払いに設定した記憶がありません。
「一括払いに設定していたはずだけど、どうしてこんなことに??」そう思ったAさんは原因を探します。
しかし何度振り返っても自らリボ払い設定にした覚えはありませんでした。
困ったAさんはクレジットカード会社のコールセンターに問い合わせます。
そして問い合わせの結果わかったことは、クレジットカードの支払い方法が途中から自動でリボ払いに切り替わっていた、ということでした。
Aさんは覚えのない支払い方法の変更に「なんで勝手に変わってたの?」と半信半疑の状況でした。
この話を聞いて「え、自動でリボ払いに切り替わるなんてそんなことあるの?」Aさんと同じことを思った方もいるかもしれません。
実はこれ、クレジットカードの支払いでよくあることなんです。
Aさんが使っていたカードは元々「月の利用額が一定以上になると自動的にリボ払いになる」というサービスがついたカードだったんです。
そしてそのことをすっかり忘れて、Aさんは買い物にふけっていたのでした。
ネットショッピングの支払いが一定額を超えたことにより、支払い方法が自動でリボ払いに変更。
そして変更されたことに気づかないままリボ払いでショッピングを繰り返し、気づいた頃には残高が100万円に膨れ上がってしまったというわけです。
想定しなかった支払い残高に焦ったAさんですが、100万円もの借金のことを夫に言えるわけもありません。
夫にこのことがバレたらマズいと思い、何とか返済する方法を探しました。
その結果、ある方法を使って、月々の支払いが35000円から15000円にまで減額することができました。
月々の返済額が減額出来たことで、Aさんのパート代だけでもやりくりすることができるようになり、現在、夫にバレることもなく、返済を続けられているそうです。
支払いが長引くとリボ払いの手数料も大きくなってしまうことから、100万円の段階で対処出来てよかったと言えるかもしれませんね。
クレジットカード利用者の方へ

ここまでAさんの事例を紹介しました。いかがでしたか?
「自動でリボ払いに変更になるなんて気づけるわけない!」「自分の支払いもいつの間にかリボになってないか不安…」
などと思った方もいるでしょう。
今回紹介した事例は「支払い額が一定を超えるとリボ払いに切り替わる」というサービスでした。
最初に紹介したメルペイの定額払いのように利用当初からリボ払いという支払い形態ではありませんが、時間がたつとリボ払いに姿を変えるという点で、
こうした設定も「隠れリボ払い」と言えるでしょう。
クレジットカード契約の段階で利用規約が送られてきているとは思いますが、サービス内容を全て認識するのは難しいですよね。
いざ使い始めるとAさんのようにそんな設定があること自体忘れていた、ということはよくあります。
名前でのごまかしだけではなく、使用タイミングでリボをさとらせない「隠れリボ払い」も存在する、ということを覚えておきましょう。
他にもキャンペーンの応募条件にリボ払いの設定が含まれていて、キャンペーンに申し込んだらいつの間にかリボ払い設定になってしまっていた、ということもあります。
リボ払い設定を条件にしているキャンペーンは通常よりお得なキャンペーンも多いです。こうした隠れリボ払いには十分注意してください。
カードを利用するのであれば、明細や契約内容のこまめな確認が大切です。希望していないのにリボ払いになっていたら、設定の解除やカードそのものの解約するのも検討しましょう。
リボ払いに気づかずに利用を繰り返して残高が膨らんでしまうと、返済に困ることもあります。
唯一の救済策は任意整理

それでは、Aさんはどうやって100万円もの借金を減額することができたのでしょうか。
「リボ払いの返済が終わらないけど、どうしたらいいの?」とお悩みの方には、Aさんが利用した唯一の救済手段、債務整理の検討をおすすめします。
債務整理とは、借金を減額・免除するための法的手続きのことで、減額の度合いや、課される制限の違いから、任意整理、個人再生、自己破産の3種類に分けられます。
任意整理は将来の利息のみをカット、個人再生は元金を5分の1から10分の1程度にまで減らし、自己破産は借金の全額免除になります。
もちろんデメリットなく借金を減額できるわけではなく、債務者ccは債務整理のあと5年間は新たに借入やクレジットカードの利用ができなくなります。
債務整理によっていわゆるブラックリストに載る、というデメリットを負うことになるのです。
他にも個人再生や自己破産は家族や職場の同僚にバレる可能性があり、心理的なハードルを感じる人もいます。
一方で任意整理は身内や同僚にバレる心配はなく、支払い先のカード会社と直接交渉します。
リボ払いのカード会社だけを選んで減額することもできるので、全ての借金について手続きをしなくてはいけないということもありません。
リボ払いの高い手数料の支払いがなくなれば、人によっては完済までの期間を半分にできることもあります。
減らない残高にお困りの方は一度検討してみてはいかがでしょうか?
債務整理については過去記事でも詳しく解説しています。借金減額に興味がある方はそちらも合わせてご覧ください。
専門家に相談することで、返済を最小限にとどめて借金問題の早期解決もできるかもしれません。
まとめ
今回は、隠れリボ払いの闇について解説しました。
いつの間にか悪循環に陥っているかもしれないリボ払いの怖さが理解いただけたのではないでしょうか?
リボ払いは一時的に支払い額を調整できる点はメリットですが、抜け出せない返済苦に陥るかもしれない怖さや負の側面があることを覚えておかなければなりません。
そしてサービスを提供する業者にとってリボ払いは多くの利益を獲得できる事業でもあります。
今回の記事で紹介したように、サービスの名称を変えたり、カード利用者の返済の負担を減らすことを建前として手数料の高い支払い方法の利用を促してきます。
リボ払いもあくまでサービスの1つですから、サービス自体に良い悪いがあるわけではありませんが、名称の違いやキャッチーな言葉に乗せられることなく正しい知識を身につけて自分自身を守りましょう。
もし、リボでかさんだ残高が大きくなってしまって、返済には数年かかりそう、、という方は債務整理を検討してみてもいいかもしれません。
具体的な借金返済や債務整理の方法は、個々の状況によって取るべき方法が変わりますが、専門家の力を借りることで、借金の負担を軽減できるかもしれません。
1人で悩んでいるよりも借金解決のプロに相談した方が早期解決につながり、最適な選択ができるでしょう。
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