債務整理でブラックリストから消えるのはいつ?

こんにちは!債務整理チャンネルの弁護士幸谷です。

今回は「債務整理した後、ブラックリストはいつ消えるのか?」というテーマでお話します。

債務整理をすると、いわゆるブラックリストに載ってしまうのですが

「ブラックリストっていつ消えるの?」「そもそも消すことはできるの?」と疑問に思いますよね?

結論から先にお話すると、どの債務整理をするかによって、どれくらいブラックリストに掲載されるのか、は異なるんです。

そこで、今回は、債務整理の種類別に、ブラックリストの掲載期間やその影響について解説します。

この記事を見ることで、もし自分が債務整理した場合に、ブラックリストにどれくらい載るのかが分かると思います。

ブラックリストがいつ消えるのか知っておきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください!

この記事ではまずはじめに、そもそもブラックリストとは何なのかについて説明します。

次に、債務整理の種類別に、ブラックリストの掲載期間について解説します。

そして後半では、ブラックリストに載ると発生する5つの影響と、その対処方法について詳しくお話します。

ぜひ最後までご覧ください!

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ブラックリストとは?

まずは、そもそもブラックリストとは何なのかについてです。

実は「ブラックリスト」という名前のものは存在しません。

皆様がローンを組んだり、クレジットカードを利用したりすると、その情報は信用情報機関に記録されます。

とはいえ期限内にローンを返済しているなら、何も問題ありません。しかし滞納したり、返済が遅れたりすると、それは事故と扱われます。

もちろん債務整理をしても同様に扱われることになります。

そういう事故情報が、信用情報機関に登録されたことを「ブラックリストに載った」と表現しているのです。

では、信用情報機関とは何なのか?

一言でいうと、個人の借り入れ状況や返済状況などの信用情報を管理している機関のことです。

たとえば、銀行・クレジットカード会社・カードローン会社・消費者金融といった、いわゆる金融業の会社がこの信用情報機関の加盟店として登録されています。

それらの加盟店は顧客がどのくらい借金をして、どういう風に返済しているのか、逐一記録しており、その記録は加盟店同士で共有されます。

そして「お金を借りたい」「ローンを組みたい」という新たな顧客に対して、「返済能力はあるか?」や「多重債務ではないか?」等を審査する材料として使っています。

したがって、そこに滞納などの事故情報があれば、ローン審査はほぼ通りません。

なお、日本には3つの信用情報機関が存在します。

  1. 全国銀行個人情報センター、略して「KSC」
  2. 株式会社シー・アイ・シー、略して「CIC」
  3. 株式会社日本情報信用機構、略して「JICC」

KSCはその名の通り、銀行が加盟しています。

CICはクレジットカード会社、JICCは消費者金融のイメージが昔はありましたが、最近は銀行以外の加盟店は、CICとJICCの両方に登録してるケースも多いです。

このように信用情報機関が分かれていると、銀行ローンで滞納したから、KSCだけがブラックなので、クレジットカードや消費者金融の借り入れは問題なしと考えるかもしれません。

それは間違いで、信用情報は3つの機関で全て共有されています。つまりどこかでブラックになれば、その影響から逃れられないのです。

ブラックリストの掲載期間

それでは次に、債務整理の種類別のブラックリストの掲載期間について解説します。

一般的には、おおむね5年から10年ですが、債務整理の方法によっても掲載期間は変わるので、一つ一つ説明します。

まず1つめは、債権者と任意に交渉して利息をカットしてもらうなどの「任意整理」の場合。

JICCとCICのみがブラックリストに載り、KSCには載りません。ブラックリスト掲載期間は完済から約5年といわれています。

2つめ、借金を5分の1程度に減額する「個人再生」を利用して債務整理をした場合。

JICCは借金完済から5年間、KSCが再生開始決定日から10年間掲載されるといわれています。

個人再生の場合、CICには載りませんが、保証会社などが代わりに返済する「代位弁済」がされていれば、それが事故情報として掲載されるかもしれません。

3つ目、借金を免責してもらうために自己破産の手続きを利用する場合。

JICCとCICは破産手続き開始決定日から5年間、KSCは同じく決定日から10年間掲載されるといわれています。

ちなみに債務整理ではなく、延滞をしてしまった場合はKSCもCICも2か月以上の延滞で5年間ブラックリストに載ります。

債務整理でも延滞でも、掲載期間にほとんど差はないということはお分かり頂けたと思います。

ただしJICCに限っては、2か月までの延滞なら1年でブラックリストからは消えて、3か月以上の延滞で5年間の掲載になるようです。

しかし先ほど説明したように、JICCとCICの両方に加盟している会社もあるため、結局ブラックリストから消えるまで5年はかかるとみてよいでしょう。

なお、延滞の掲載期間の5年間とは、延滞が解消されてからの期間になります。

つまり、延滞をずっと繰り返していたら永遠にブラックリストから消えないのです。

さらに債務整理したあとの5年間や10年間というのもおおよその目安なので、ハッキリとブラックリストから消去されたのかどうか知りたい場合は、信用情報機関に情報開示請求をしてみてください。

ブラックリストの情報は加盟店だけでなく、契約者本人も見ることができます。

各機関の窓口や郵送でも対応してくれます。詳しくは各HPでご確認をお願いします。

ブラックリストの影響

最後に、ブラックリストに掲載されると、どんな影響があるのでしょうか?

影響については、大きく5つあります。

  1. クレジットカードの新規作成不可。及び持っているカードの利用停止
  2. 新たなローンが組めなくなる
  3. スマホ本体の分割購入不可
  4. 賃貸借契約が結べなくなる
  5. 保証人になれない

それではここから、これらのブラックリストの5つの影響について

一つ一つ詳しく解説します。

クレジットカードの新規作成と利用ができなくなる

まずは1つ目、クレジットカードについてです。

ブラックリストに掲載されると、新規でカードを作成するのはかなり難しくなります

さらに今まで保有していたクレジットカードも、ブラックリストに掲載された後は利用停止になります。

現代はますますキャッシュレス決済が増えています。

さらにネットショッピングも拡大しているため、決済手段としては、やはりクレジットカードが便利ですよね。

そこでブラックリストに掲載されてしまった場合には、クレジットカードの代わりに、デビットカードの使用をおすすめします。

デビットカードはクレジットカードと同様、VISAやJCBのマークが付いていて、店舗でもネットでも使用出来ます。

クレジットカードとの大きな違いは、後払いではなく、その場で銀行口座から引き落とされる点です

つまり口座に残高が無いと、限度額内でも使用出来ないのです。

それゆえにカード会社にはリスクが無いため、信用情報がブラックであっても、作成及び使いつづけることが可能です。

また、家族カードを使用する方法もあります。

あくまでブラックになるのは個人なので、家族名義でのクレジットカードの作成は可能です。

家族にクレジットカードを作成してもらったあと自分用の家族カードを申し込みすれば良いわけです。

ただし全ての会社が、家族カードを発行しているわけではないのでご注意ください。

なお、ブラックリストに載ったままでも、新規でクレジットカードの作成が出来る可能性は、ゼロではありません。

債務整理をしたあと、順調に残金の返済をしていて、現時点で安定した収入があれば、カード作成の審査が通ることもありえます。

新たなローンが組めなくなる

2つ目の影響として、新たなローンが組めなくなります

住宅ローン、車のローン、教育ローン、そして当然カードローンもです。

ローンが使えないと生活のインフラとなる大きな買い物ができないので、困るかもしれません。

しかしそれは一概にデメリットとは言えないのです。

結局自分の返済能力に見合わない借金をしたから、債務整理をする状況になったので、今ある収入の範囲内で生活するという当たり前の日常を、期限付きで強制的に出来ると思えば、ある意味メリットとも考えられます。

スマホの分割購入ができなくなる

3つ目の影響として、スマホの分割購入が出来なくなります

これは意外に思うかもしれません。

実は、スマホの本体料金を、月々の分割で支払っているというのは、結局ローンを組んでるのと同じことなのです。

つまり、スマホの販売会社は、契約する際に信用情報機関に照会しているのです。

勘違いしてはいけない点としては、スマホの契約自体は可能ということです。

すなわち一括払いで本体を購入すればまったく問題ありません

最新機種を我慢して、一世代前の中古品を購入するというのも1つの方法です!

賃貸借契約を結べなくなる

4つ目の影響は、新たな賃貸借契約を結べなくなる可能性があることです。

仲介する不動産業者は金融業者ではないので、契約を結ぶ仲介をする際信用情報は確認しません。問題は家賃保証会社なのです。

最近では家族や親族を保証人にするのではなく、賃貸借契約を結ぶ際に、家賃保証会社との契約を必須としているところもあります。

この家賃保証会社は、家賃を支払える能力を確認するために、信用情報を照会します。

とはいえ、ブラックだからといって、確実に審査に落ちるとは限りません。

申し込んだ時点で安定した収入があれば通るかもしれません。

ただし審査に落ちることもありますので、確実に賃貸借契約結びたいのであれば、家賃保証会社との契約が必須でない物件を選びましょう。

保証人になれない

最後の5つ目の影響は、保証人になれないことです

ローン会社は保証人にも返済能力があるか否かを確認します。

例えばお子様がいて奨学金を必要としてる場合は、保証人が必要になるのですが、債務整理をすると返済能力が乏しいと思われてしまい、お子様の保証人にはなれません。

ではどうすればいいのか?自分が保証人になれないときは、配偶者か他の家族を保証人として立てることを検討してみてはいかがでしょうか?

というわけで、以上が、ブラックリストに掲載されてしまったことで生じる影響でした。

ここまで聞いて「そんな色々とデメリットがあっては困るなあ…」「なんとかブラックリストに載らないように出来ないか?」「載ってしまったあとに、消去する方法はないのか?」

そう考える方もいらっしゃるかもしれません。残念ながら、それらはいずれも難しいです。

もしネットの情報などで「ブラックリスト消します」なんていうのがあっても、ほとんどが詐欺だと思われるので、絶対に利用しないでください!

なお、ブラックリストに掲載されると「会社に知られて解雇されることは無いだろうか?」「戸籍やパスポートに載ってしまうのではないか?」「結婚にも悪影響があるのではないか?」

という心配が多く聞かれますが、それらは全て誤解なので、その点は安心してください

信用情報は、本人か加盟店にしか確認出来ません。

自分で言わない限り、周囲や職場や役所にも知られることは無いのです。

さて、いかがでしたでしょうか?

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まとめ

今回はブラックリストについて解説致しました。

ブラックリストとは、一言でいえば、ローンの延滞や債務整理の履歴という事故情報が、信用情報機関に載った状態であることをいいます。

債務整理をしたあとは、完済から5年間から10年間で消えるということ。

さらに、ブラックリストに載った際の5つの影響と、その対処法について解説しました。

繰り返しになりますが、ブラックリストに載ったからといって、周りに知られたり、生活できなくなるということはありません。

多少不便があっても、よりよい生活を取り戻すためのリハビリ期間とお考えください。

ブラックリストに載ることを恐れて債務整理をためらっていても、借金を延滞してしまえばブラックリストに載ってしまうため、結局同じことです。

本記事が、少しでもお役に立っていれば幸いです。